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鍵屋無双 ~いや、すごい強いですよこのスキル~  作者: TAKUTOJ
10章 アレクの長い夢編
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2部

 目の前に20歳のサルトビ・クグモがいた。鑑定()たから間違いない。


「よくおいでくださった、ヴァレント殿!」


 ヴァレント殿!? サルトビ・クグモが僕を敬称で呼ぶ意味がわからない。しかも半透明でもない。彼は八卦神門の二代目継承者と名乗っていたはずだ。僕はてっきりデラーマ公爵領城塞地下の【止門】に呼ばれたのかと思っていたんだ。


 様子がおかしい。


「サルトビさんですよね?」

「いかにも」


 間違いないのはわかっているんだ、鑑定()たから。古めかしい喋り方は相変わらずだけれど、存在のはっきりしたサルトビ・クグモをこの目にしたのは初めてだ。なのに彼は僕をなぜ知っているんだ?


「ヴァレント殿、申し訳ないが時間が無い。こちらへ来ていただきたい」


 多くの疑問を残して、彼の後について行く。若干逼迫した雰囲気がした。


 日本家屋の様な木材建築、瓦葺きの屋根。懐かしい景色に感動を覚える。ビルなんて無い。戦国日本? 違った。鳥居に掲げられた文字が見たことも無いアルファベットなんだ。違和感が半端ない。


 ここも地球では無い。そりゃそうか。彼は、「八卦神門の継承者は時代に一人しかいない」と言っていたはずだ。


 柳の木が均等に植えられた町並みを歩いている。そして辺りでは1番大きな門が拵えられた屋敷に通された。時代劇でしか見たことないような日本庭園を左手に見ながら奥へと進んだ。


 大部屋に入ると神座に座らされる。サルトビ・クグモはその横に腰掛けた。きっと彼の配下の者達だと思うけれども、ざっと20名もの人達が平伏している。


 自分だけ着物ではない事に今更ながら気がついた。うわぁ、浮いてる。着物着てみたいなぁ、なんて呑気なことを考えているとサルトビ・クグモは言葉を発した。


「面を上げよ」


 顔を上げた面々は精強な顔つきをした者達だった。どこにも油断を感じさせない気配が辺りを支配している様で、ピリピリしている。


「紹介しよう。こちらはアレを授けてくださったヴァレント殿だ」


 なんだよ、アレって。けれどもこの場にいる者達は僕以外は納得顔で警戒心を解き、尊敬の眼差しを向けてきた。何したんだよアレクセイ!? 全く身に覚えがない。


 そういえばサルトビ・クグモは僕の時代を"作為を感じる"とも、スキルを得る上で"制限されている"とも評価していた気がする。この人達はどうなんだろう。最前列の人を鑑定()る。


 サルトビ・ザクマ(25)

 ジョブ:【武士】

 スキル:【剣術・極】【槍術・上】【弓術・極】【馬術・中】


 何このスキル!? というか数よ。サルトビと名乗りながら【武士】ですか、そうですか。強過ぎない? いや、透明男は言っていた、パーティーを強化しまくったって。それで世界を救ったって。他にも配下の20名を鑑定()てみれば精強な【武士】達のスキルはもう絶句するしかない。


 この面子を社会的に抹殺することができる程の権力ってなんだろう……。サルトビ・クグモはこの事実を知っているのか? 教えたとして何かが変わるのか? 歴史を変えることになるのか? よくわからない。


 でも、目の前にいるサルトビ・クグモは僕を呼んだ。何かの助けがいるからだ。そしてその【召喚】に応じた以上、僕は全力を出す。知り得た知識も当然出す。彼には知識を授けて貰った。なら僕もできることをしよう。


 サルトビ・クグモ(20)

 ジョブ:【神門番】【首領】

 スキル:【八卦神門・四】【鍵】【剣術・中】


 色々ツッコミたい。【剣術】持ってるし。羨ましい。【八卦神門・四】ってなんだ? 慌てて僕も自分のステータスを見た。【八卦神門・二】だった。


 配下への説明や今後の方針を固め、サルトビ達は解散することになった。僕はあてがわれた部屋へと案内される。


「積もる話もあるのだが、今日はもう遅い。明日、ヴァレント殿と今後について詰めたい。よろしいか」


 確認と言うより確定事項の報告のような言い方だった。もちろん何させられるのかわからないけれど、できることならなんでもやるよ、という気持ちを込めて僕は大きく頷いておいた。彼は満足気に引き戸を閉める。


 何があるかわからないから、僕はこの部屋に施錠(ロック)をかけた。


 不思議だ。【召喚】に応じたのはいいものの、どういう仕組なんだろう。僕は今、召喚獣か何かか? どういう扱いになるのだろう?


 サルトビの配下の者たちも然程驚いている様子はなかった。彼らにとっては驚くことではないのだろうか? 【召喚】は当たり前なのだろうか?


 明日その辺の事情を聞いてみよう。僕はいつ帰れるんだろう? 自分で帰ることはできるのかな?


 アレクセイ・ヴァレント(15)

 状態:召喚中

 使用可能スキル【鍵】

 使用不可スキル【八卦神門・召喚系統】

 解除条件:死亡、消滅、召喚者による解除

 ※召喚中の死亡、消滅によるリスクは無い。ただし、【召喚】発動中は召喚者は【鍵】スキルは使えない。


 へぇ、リスクはあるってことね。【鍵】が使えないのか……それは痛いな。僕にとっては【召喚】はリスクが高すぎる。サルトビのように【剣術】とか他のスキルが有るのならいいけれど、いざというときには止めた方がいいのか? でも彼の強さが本物なら、召喚もありかもしれない。使い所が難しいね。


 うだうだ考えても仕方ないか、寝よう。


 といっても、眠たくないんだよなぁ。召喚前はかなり疲れてたはずなんだけど。召喚中だからかな? 一種の無敵状態? それならちょっと探索してみようかな?


 僕はそっと部屋を解錠(アンロック)し引き戸をそっと開けた。


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