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鍵屋無双 ~いや、すごい強いですよこのスキル~  作者: TAKUTOJ
9章 ダンジョンアタック開始編
76/170

4回

「まだ残ってるのかな?」

「何が?」


 僕は【門】の転移先をこの階層のある場所へと意識を向けてみた。なかったんだ。


「なんでもない」


 リリアリーリの聞き返しに首を振って前を向く。どうやら以前お世話になった宝の部屋は消滅していた。どんな原理で出現するんだろうね。さっぱりわからない。そしてどうやって部屋がなくなるんだろう?


 6階層だ。当然ミノタウロスなんて魔物はいない。あんなのがこんな低レベル階層にいたら冒険者達も生活が脅かされるよね。宝の部屋の罠は本当に恐ろしい。


 以前来た時は遺跡だったはずだけど……いや、あれは宝の部屋を出てからランダムで変化していたっけ? そう言えば【鷹の爪】とここへ来る度に毎回違う感じがしていたから、幻惑にでもかけられていたんだろうか? それとも本当に変化しているのか? でもなぁ、罠にかかった状態からスタートさせられているってことも考えられるし。じゃあこれが本来の6階層か? 目下には大森林が広がっている。


 階段を降り、森へと入る。森かぁ、翅人たち元気にしてるかな。相変わらず僕の右肩に立って、耳たぶを吊り革代わりにしている、といっても吊り革なんて知らんだろうけど、リンカーラに視線をやる。耳たぶ掴んでるから顔を動かすと一緒に移動しちゃうんだよね。だからあんまり見えないんだわ。


「なーにー?」

「森だと妖精達を思い出すんだよ。みんな元気にしてるかな?」


 リンカーラは僕が問う前から気がついてくれる。比較するのもなんだけど、精霊ピンポンとのスペックの違いにいつも驚かされるね! 契約してないから? そうだけど、契約してないのにリンカーラは察してくれるよ?


 リンカーラは僕の質問が嬉しかったのか、耳たぶを掴んだまま回転した。痛い痛いヤメテ。


「うんー。元気だよー。アレクに会いたがってるよー」


 おおー、まじか。それは行くしか! もちろん今じゃないけどね? 今でもいいよ? うん、ダメなのわかってるよ。ハイ。


 この森はおかしいぞ。虫の大きさが異常だ。何このムカデ!? デカっ!?


「アレク!」

「おう!」


 ゲルトレイルの斧がムカデの頭にヒットした。


 ガキーーーーン。


 今度は僕の番だ。横薙ぎにブロードソードを払う。


 ズガーー。


 カッタイなー! なんだコイツ!? 効かない。斧と剣が弾かれる。


「任せて! フェアリーファイヤ!」

「ファイヤー!」


 二つの炎の槍が僕ら程あるムカデを貫いて、焼いた。リリアリーリとリンカーラのコンボが炸裂する。ムカデが焼ける匂いは酷かった。臭い。ゲルトレイルを見ると服に匂いがついていないか心配している。サリアラーラは周囲を警戒していた。この違いよ。まぁ、あまりにも臭かったから、綺麗好きのゲルトレイルに期待してもしょうがない。


 予め決めていたとはいえ、咄嗟の判断がいいリリアリーリ。実は戦闘が始まったり、魔物が現れると、右肩にいるリンカーラは直ぐにリリアリーリの傍に行くんだ。そして警戒を強める。いざと言う時にはやっぱりパートナーであるリリアリーリの支えになるよう立ち回れるリンカーラも然る事乍ら、彼女が近くに来る事で危険や異常を察知して動けるようにしているようだ。正直凄いと思う。


【軍師】たるゲルトレイルは、戦闘の際に物理が効かない時の対処法を僕達にコンコンと聞かせていた。必ずそういう類の魔物はいるからと魔女2人に対して、言い含めていたんだ。そして僕には、"効かないなら直ぐに道を開けろ"って。その道を魔法の槍が飛んでいくルートになるんだと。そう言うことらしい。


 見事にコンボが決まったのも、ゲルトレイルの作戦によるところが大きいのだ。


「次が来るよ!」


 警戒していたサリアラーラの声が僕達の意識を強める。杖を前にかざしたサリアラーラの目は真剣そのものだ。杖の先に移動した精霊ピンポンの明滅が強くなっていく。


 僕達の目の前に現れたものは巨大な熊だった。3メートルはあるか? デカっ!? そんな反応ばっかりだ、さっきから。なんか桁が違うな……なんなのこの森。


 足を狙うか? いや、足しか届かないよ!?


 驚いている間に熊の手が僕の目の前に来ていた。この世界に来て僕は初めて吹き飛ばされる経験をした。


「アレクセイっ!?」

「お姉ちゃん、ダメ!!」


 目の端を捉えたサリアラーラはこちらに向かって走り出そうとしていた。リリアリーリが姉の腕を掴んで引き止めたのを最後に、僕の意識は遠のいていった。背中を打ち付けたところまでは覚えているん……だ。


「ああああああああぁぁぁ」

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