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「ぇぇぇぇ!?」

「なんで!?」


 そうなるよねぇ……僕も同じ反応だったよ。家に帰って階級章を見せたらこうなった。そりゃそうだよね。1つのランクを上げるのにかなりの数のクエストや信頼を積まなければならないのに、いきなりFから3ランクアップでランクC冒険者なんだから……。


 ゲルトレイルに至っては苦笑してるだけだし。事の顛末を魔女2人にも伝えて説明を終える。


 今思えば、フラクシス大関所の仕事を僕の名前だけじゃなくて、彼らの名前も入れておけば、一緒に公爵家からの紹介状が全員分貰えたかもしれない。言っても詮無いことだけれど。


「まぁ、そんなことよりさ、パーティー名考えようよ」

「そんなことよりって……はァ」


 3人の目が痛い。呆れられるのは慣れっこだ、ドンと来い。仮登録中のパーティー名もそろそろ引き伸ばすのに限界が来ているんだから早く決めないと。


「【魔女】【斧】【鍵】なんにも共通点見いだせないね」


 右拳に顎を乗せたリリアがいつにも増して真剣な表情で考えている。僕は【鷹の爪】がくれたアドバイスをみんなにも言おう。


「行き当たりばったりで【鷹の爪】って決まったらしいよ、あの王都の有名パーティー」

「それは聞きたくなかったな……」


 赤髪がガッカリしている。うんうん、わかるよその気持ち。僕ももっとマシな意見をくれると思ってたからね。でもゲルトレイルは彼らへの憧れ成分も加味している分ショックが僕よりも大きいのかな? 僕? 彼らと親しくなると為人もわかってきてるし、別に気にならないよ? 彼ららしいなって思えるし。


「だからね、案外【冷やかし客】ってのも……」

「「嫌だからね!」」


 最後まで聞けよ! まぁ、仕方ないか。あれだけ嫌がってたからもう3人で活動しないかもしれないな、もったいない。せっかく結成してあげたのにね。


「ゲルトは意見ないの?」


 処置なし、という感じで僕のおしゃべりを遮って、リリアはゲルトレイルに視線を向ける。僕もサリアラーラも彼の方へと顔を向けた。物憂げな表情で顔を上げた彼は、うーんと唸ってから言葉を紡ぐ。


「【魔女裁判】とか【断罪のピエロ】とか?」

「「「却下だな(だね)」」」


 暗いわ! 悩んでそれかよ! 僕が言えたことでもないけどね。魔女裁判って、彼女らを罪に陥れてどうすんのよ。断罪のピエロってどこから来た!? ある意味面白いけど。あ、定着するとそれもいい名前になるのかな?


 案の定ゲルトレイルは机に突っ伏した。メンタル弱いからね、そっとしとこう。サリアラーラはなんか思いつかないか? 視線を向けると彼女は頷いた。


「【黄昏の黎明】とか?」


 それとなくかっこよく聞こえるけど、それ夕陽の朝陽って言ってるのと変わらんし、意味わからんから。うんともすんとも言わずにリリアリーリを見たらサリアラーラも若干凹んだ。


「【白夜のカーテン】」


 オーロラの事かな? この世界にもあるのか……。見てみたいね。リリアリーリからまさかの妙案が。


「あれ? ダメだった?」


 沈黙に耐えられなくて、彼女は少し顔を赤らめた。


「あ、いや、今までで1番良かったよ。オーロラって見たことあるのか?」

「んーん、無いよ。本で読んだだけで、見てみたいなって思ってたから、思いついた単語を言っただけなんだ」


 とすると、この世界も地球のような傾きがあって、春夏秋冬のハッキリした場所もあるってことか……。日本のような四季折々の場所もある? 今思えばずっと春のような季節しか経験してないな。スコールみたいな大雨はあったけれど。オーロラの文献があるのなら僕も読んでみたい。


 ガバッと顔を上げたゲルトレイルが提案を出してきた。なになに?


「パーティー名を"○○の○○"って決めておいて、単語を出し合うのはどうだ?」


 1人2つの単語を書いて、シャッフルして一人づつ目隠しして取る。全員が8枚の紙を取って、選ばれた1番多い単語を繋げて出来上がり。うん、それでいいんじゃない?


 こうして僕達のパーティー名は決まった。



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