一
新章プロローグ
「なんでこんな所にいるんだよ!?」
愛剣から届く僕への力が呼応する。
ゴブリンはグギャっともゴブっとも言わずに事切れた、いや斬ったんだけどね、スパッと。
ここは公爵領の1つ、城塞地下だ。魔物を飼っているのか? というレベルではなく、跋扈しているんだ。ダンジョン化が進んでいるような錯覚に……錯覚じゃなさそうね。
ゴブリン達が何故だかツルハシを持ってる。
天然のダンジョンじゃなく、人工いやゴブ工のダンジョン? が、この城塞地下に繋がってしまったんだろうか? ヤバくないか!? もう街に届きそうなんですけど!?
「任せて! エレメントファイヤぁ」
コラコラぁぁぁ! 空気薄いところで炎出すなや! と言いたいところなんだけど、大丈夫なんだよなぁ。
ねぇ、知ってる?
この世界の魔法ね……魔法の現象であって、物理には反映されないんだって! どう言う事かわからない? うん僕も。
簡単な例で言うとね? 土魔法あるでしょ? この魔法の1種として、「アーススピア」という「岩の槍」があったとする。いい? 地面から取った土を形成して槍の形を整えて射出するイメージありますか? 「アースウォール」という「岩の壁」、地面から生え出させる頑強な壁のイメージありますか? いずれも物質から魔力でもって形成する物理攻撃や物理防御になるようなイメージありません? それが違うんだ。
土属性の槍や壁になるだけで、単なる魔力の塊なんだって。魔力さえ抑えてしまえば、なんにも残らないんだとか。つまり、地形攻撃は成り立たないし、土魔法で地面がガタガタになったリしないし、地震を起こして地面に穴を開けるとか出来んらしい。
火はどうか? 熱や焦げ跡なんかはちゃんと着くらしいんだけど、魔力が無くなれば、燃えることは無い。燃え移らないんだって。山火事とか起こせないみたい。あくまでも魔力の問題なんだって。だから空気にも干渉しない。対象が人や魔物である限り、二次災害が起こらない。
「フェアリーアイス!」
なんか美味しそうな技出た! ぜんぜんイメージと違った。氷のトゲトゲが地面から生え出たようなおぞましい攻撃だったよ……ツルゴブさん達が哀れに。
その証拠に事切れたゴブリンの周りにはもう氷の跡がないし、溶けた水もない。
原理がよくわからないんだけど、そういう事みたいだ。
だからこんな狭いところでも打ち放題。魔力が続く限りはね。
こうして辿り着いた先で、僕は新たな力を手に入れる。




