8の時
ダンジョンの27階層へと飛んだ。
「加勢するよ!」
目の前の魔物の目を施錠して、愛剣で葬る。
「アレクか!?」
びっくり顔のドレクスラーと会話する余裕もなく、魔物達の群れを範囲指定、行動施錠。後は蹂躙劇が始まった。
なんでまたモンスターハウスになんかいるんだよ!? 飛んだ災難だ。肩を上下させている【鷹の爪】の面々を見渡す。
「アレク、お前どうやってこの部屋に入ってきたんだ?」
「え? なんとなく?」
「「なんとなくで入れねぇ(ないわよ)から!」」
方々からツッコミが入ったけれど、僕はいつものように肩を窄めるだけでやり過ごす。5人から、これもまたいつものようにため息が零れた。
こちらのモンスターハウス、パーティー規制の発生する部屋なんだって! へぇ、そんな機能あるんか。ダンジョンも大概やりたい放題だよね? 僕に言われたくはないって? なんかごめんね?
「とにかく助かった。ありがとな! 楽に終わった」
リーダーが気さくに礼を言う。才賢のライバーが向き直った。
「それで、アレク。今日はどういう用向きだ?」
「実はね、リーナの助けが欲しいんだ」
聖女リナフレアの【真実の審判】の力を借りたい。率直に要件を伝える。リナフレアは驚いてパーティーを見渡した。
転移結晶という魔道具でダンジョンの入口に戻ることは可能だ。恐ろしく高い使い切りの魔道具だけど、こんな中途半端なところで使う訳にはいかないし、メンバーは皆、困った顔をしている。
転移結晶は10階層毎にある転移の部屋という部屋でしか使えない。だけど、下へ行けば行くほど帰りはありがたい機能でもある。登録していれば、またそこへ飛べるんだからかなりのテクノロジーだと思うよ。特殊部屋なんかの規制がかからない限り、自己最下層の10階層区切りへと飛べるんだから。
「急ぎか?」
ライバーが問う。きっと色々計算しているんだろう。僕は頷いたけど、彼らの予定を狂わせるつもりは無い。
「休憩の間だけでいいんだ。だいぶ疲れてるでしょ? ちゃんと返しに来るよ? ここに来たようにね、どう? ダメ?」
彼らはお互いを見回して頷き合う。
「アレクだしなぁ……こんな荒唐無稽な提案もやってのけるんだろう? ここ来るのも非常識だしよ」
「じゃあ?」
「アレク。お供しますよ」
彼らにお礼を述べてリナフレアと共にまずモンスターハウスから出る。【門】を出して大関所へと飛んだ。




