6の時
4人で卓を囲んでいる。
今は朝、朝食を終え今後の話し合いをするために居住まいを正したところだ。
「多分、今日か明日、何らかのアクションがあるはずだよ。関所を通るやつかもしれないし、壁面を超えてくるやつかもしれない」
僕は周りの3人を順番に見て告げる。
「僕は上が怪しいと思っているけれどね」
「つまり壁を登ってくる?」
頷きで返す。関所を通ってくれるなら楽なんだけどね。鑑定て、施錠で終わるから。歩哨だとそうはいかない。1人や2人ならそれこそあっという間に終わらせる自信はあるけれど、5人、6人だとそうもいかない気がするんだ。左右に意識を向けるほどの余裕があるとも思えないし。
「ゲルト、配置をどうすればいいと思う?」
「そうだな……サリアさんココ、リリアさんはココ、アレクは真ん中のここだな、俺はココ」
うん、理にかなってる気がするな。彼は簡単な関所の見取り図の各所を指さしながらそれぞれの配置を述べていく。3人には僕ができることを既に話している。だから今回はゲルトレイルに作戦立案を任せてみよう。
「何故か理由を聞いていいかしら?」
サリアラーラも真剣な表情で問うた。
「まずはアレクのスキルの効果を最も有効にするために、真ん中で待機してもらう。そして上がってくるやつに制限を掛けてもらう。それでも、両端の片方から登ってくる可能性もあるけど、どちらにも対応可能なこの位置は外せないと思うんだ」
魔女2人も真剣だ。
「それから、あなた達2人は両サイドに別れてもらう。これは2人がとても強い魔法士だと聞いているから、どちらかを任せる事になるね。俺はアレクの動きに合わせて動く。二分されるなら逆方向に、一方からなら援護に向かう」
「ねぇゲルト、私達はもう仲間でしょ? リリアでいいよ」
「私もサリアでいい」
なんかいいね。こう、仲間意識が強くなっていく感じが。それとサリアラーラが何故か僕に向かって"サリアでいい"と言っている。お前ちゃんとゲルトレイルを見て言えよ! それともアラーラって読んで欲しいっていうフラグか何かか? ニヤッと笑うと目を逸らされる。
大体の作戦に全員の理解の度合いを一致させる事が出来た。後は敵が来るのを待つだけだ。今日か明日、必ず捕まえる。
それから、どこの公爵家か知らないが、キッチリ精算してやるからな! 思い知るがいい、失恋の八つ当たりの恐ろしさを……。
なんかそう思うと虚しくなってきたな。帰ろうかな。
「ォィォィ、アレクセイさん、急にやる気が萎んでませんか?」
「あー、なんか虚しくなってきたんだよ。帰っていい?」
「「「ダメだからね!?」」」
だよねぇ、はぁ。この浮き沈みなんだろう、鬱かな。僕はなんとなくゲルトレイルの成長を喜びながら彼を鑑定たんだ。僕は目眩がした。
脳内で僕に問いかけられる。
『ゲルトレイルのジョブ【軍師】を解錠しますか』
はあ!? 2つ目おっけーって事? マジで?
『サリアラーラのスキル【料理】を解錠しますか』
『リリアリーリのジョブ【パティシエ】を解錠しますか』
ぇぇぇぇ……何それ……。やっちゃうか? ダメだろうコレ……。この国を敵に回す勇気はまだないな。だけど【軍師】はやっておきたいな。なんかカッコイイし。ゲルトだし。いいよね? ダメ?
いや、強すぎなんですこのスキル。




