4の時
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関所へ行く定期便の馬車がある。
門での手続きですぐに乗ることが可能だ。ここ南門でも相違はない。4人分を支払い、メンバーを待つ。
アレクセイ
鍵屋「キーセレクト・アレク」店主
スキル:【鍵】【八卦神門】
ジョブ:【鍵師】【神門番】【大黒柱】【大家】
ゲルトレイル
冒険者
スキル:【斧術・下】
ジョブ:【戦士】
サリアラーラ
精霊術士
スキル:【魔道・極】
ジョブ:【魔女】
リリアリーリ
妖精魔道士
スキル:【魔道・極】
ジョブ:【魔女】
今回の大関所へと赴くメンバーだ。正直僕達は必要無いと思うんだよね。関所の兵士たち、全員戦闘ジョブだし。だけど、間者を見つけるのは容易いことではない。公爵家の厳戒態勢を突破できる者もいるくらいだ。
多分の話だけど、どこの貴族の騎士団も、スパイに適したスキルやジョブを待つ人をあんまり雇いたがらないんだろう。体裁や外聞なんかを気にして。だから闇組織を頼りたがる。それでいて彼らを見下げる。もう何も言うまい。
だから外聞とか体裁とかになんのマイナスにもならない、僕のような者が選ばれたりするんだろうね。
とにかくこの襲撃が僕のいる間に起きるなら、徹底的に調べてやる。どこの公爵家だろうと、伯爵家だろうと、子爵、男爵だろうと関係ない。後悔させてやる。
決意を固めていると、1番にゲルトレイルがやってきた。あれ? 魔女たちすぐに来れるって言ってなかったっけ? ふーん、そう。遅れるんだ? ダメだよね、嘘ついちゃ。
2台目に座る御者台のご老人に、耳打ちしてから僕はゲルトレイルを連れて1台目の馬車に乗り込む。
カタカタと馬車は進む。
「なあ、アレク。今回の護衛依頼、お前個人からか? それともあの客から出るのか?」
なかなか鋭いところを突いてくるね。うん、こういう会話は楽しい。
「僕の報告次第だよ。それとゲルトの意思も関係する。どっちがいい?」
ゲルトレイルは僕の言葉を聞いて考え込んだ。頭の回転のいい彼の事だ、何かしらの答えを探しているんだろう。さて、どうするだろう?
「アレク、俺は正直人に頼られるほどの強さは無いと自負している。だからアレク個人からで頼む。頼りなくて悪いけどな」
そう言って頭をかいて苦笑するゲルトレイルだけど、はっきり言って凄いと思う。しっかり自己分析できているんだから。それでいて挑戦する度胸もある。
「ゲルト、そうすると依頼料から差っ引かれてかなり安くなるけど、いいよね? うん、ありがとう。儲かった!」
力拳を両手で作ってから元気いっぱいにそう言うと、ゲルトレイルは若干凹んでいた。メンタル弱すぎじゃない? 知ってたけど。立ち直りの早い彼は、そう言えば、と話を切り出してきた。
「さっき御者台のじいさんになに言ってたんだ?」
「ん? 後から来る女の子2人を乗せてあげてって」
彼は絶句した。そして叫ぶ。
「おい、置いてったのか!?」
「人聞きの悪いこと言わないでくれる? ゲルトよりも早く来るって言ってたんだよ? それにね、料金払ってあげてるんだから文句言う筋合いないよ? それともゲルトが払ってくれるの? 馬車代金。ちゃんと行先まで予約して、チップまで渡してるんだけど……」
「お、おぅ、そうなのか……遅れる方が悪いな」
さっさと手のひらを返した彼はなかなか現金な人である。お金に厳しい人はこの手の話を納得させ易い。
「あのさ……俺が遅れた場合も同じ事に?」
僕は笑顔だけを返す。何故か彼は顔を引き攣らせた。




