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鍵屋無双 ~いや、すごい強いですよこのスキル~  作者: TAKUTOJ
4章 ジョブ継承と開業編
33/170

6の巻

 15歳のイベントと言えばジョブ継承だ。


 これで多くの人は人生のレールが一気に狭められる。ほぼ決定の人も多いんだ。人の可能性を摘むこのスキル、ジョブ継承システム。僕はこれが大嫌いだ。


 でも受けない訳にはいかない。国民の義務らしいから。


 一体僕にはなんのジョブが顕現するんだろう。選ぶジョブは【鍵師】一択。そう、僕は【八卦神門】由来のジョブもきっと現れるはずだから、どっちかを選ばなくてはいけない、国の管理的に。


 でも実際はきっとそうじゃない。僕はどちらもジョブを行使したままでいられるんだとふんでいる。【鍵】と【門】が対を成すのなら。予想に過ぎないけれど。


 偶然の奇跡と言うんだろうか。


 僕の前には3年ぶりの【家事】スキルのあの子が並んでいた。いやぁ、懐かしいですなぁ。お久しぶりです。


 なんだろうね、彼女のジョブ。僕は【鍵師】固定だから3年前と違い随分余裕を持って並んでいる。それより前の彼女の方が気になってしょうがない。ワクワク。ドキドキ。


 キタ━━━━━━━━!!


【メイド】


 まあそうなるよね。うん、なんとなくわかってた。でもアレだよ? 普通のメイドじゃなくて、ジョブ【メイド】だよ? 凄くないですか? メイドの中のメイドだよね? スキル行使したら人の何倍もの効力を発揮するんだから、スーパーメイドなんじゃない? うわー、目の前に凄い逸材がいる。雇いてぇ! ねぇうちに来ない?


 あ、まだ店ないや。


 しかも鍵屋にメイド要る? ……要らなかった。奴隷も断ったのに。あちゃー、逸材がドンドン遠くに。


 あ、呼ばれてた。


 僕は急いで祭壇に立つ。【門】(面倒なのでこれでいいや)を施錠する用意も忘れない。


 いつかのように継承付与の水晶、ジョブ版に触れる。


『【鍵師】になりました』

『【神門番】になりました』

『【大黒柱】になりました』

『【大家】になりました』


 うっそーん!? 何コレ?? 突っ込むとこ多過ぎない? 【大黒柱】ってジョブ!? 【大家】って、僕、家管理してないよねぇっ!? 【神門番】って神様のとこの門番? それとも神門っていう門の番? 意味わからん!


 うわ、やば。ロックロック、ロック!


 危ねぇ、司祭さんにバレるとこだった。でもまぁ、コレで人に自分を晒す儀式はもうやってこないから。一安心だよ。


「【鍵師】ですね。【鍵】が珍しかったから覚えていますよ。これからの人生、頑張って」


 なんか、複雑そうだったな、司祭さん。いまいち有用さがわからないんだろう。僕だって意味わからん。【鍵師】ってさ。日本で鍵屋だったから僕には馴染みだし、しっくりくるけど。この世界の人じゃ理解し難いものだろうね。


 これで兵役は免れた。


 司祭さんに励ましの言葉をもらい、僕は意気揚々と神殿を後にする。


 目の前には久しぶりの姉がいた。


 ミーナライト・ヴァレント(18歳)

 近衛騎士(姫騎士所属)

 スキル【剣術・中】

 ジョブ【剣士】


 姉が出世している。なんですか姫騎士って!? しがない王都警備隊だと思っていたら、とんでもないエリート街道を突っ走っている。悔しくはない。無いってば。


「成人おめでとう、アレク。久しぶりだね! 会いたかったよ!」


 ほんわかした。姉とは3年会っていなかったんだ。涙目で祝福してくれたミーナは、美しく気高い騎士になっていた。


 体格が良くなってきた僕の身長は姉をいつの間にか追い越している。12から15ってほんとに背が伸びるんだよね。2度目の経験だから、あんまり意識してなかったけど。こうして姉と並ぶと良く分かったんだ。


 見上げる姉も嬉しい反面、複雑なようだ。


 僕と久しぶりのランチを楽しみ、束の間の休憩を慌てて切り上げた姉は城に向かって王都を走り抜けていった。祝福するために、仕事を抜けてきてくれた姉に僕は心の中でたくさん"ありがとう"を送った。


 どうか姉が健康でいられますように。



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