4の巻
短いです。
12歳の頃の過去話
スキル継承の儀式に遡る。
前に並んでいた女の子が肩を落とし、僕の順番が来た時だ。あのスキル継承の魔道具に驚愕したのも束の間。
僕は自分が得たスキルの方に驚きを隠せない。
【八卦神門】:あらゆる門を司るスキル
転移、常設、召喚他
鍵と対を成すスキル
"他"って!? 説明しろよ!
僕は司祭が水晶を覗く前にさっさと【八卦神門】を施錠した。
「【鍵】ですか。うーん。初めて見ますね、レアスキルですよ!
おめでとう」
その日のことはあんまり覚えていない。姉にイラッとしたことしか。新スキルが気になって仕方がなかったから。
僕はこのスキルを多用していない。使う隙がないくらいいろんなことがあったから。いや、使えば解決できた事もたくさんあるのだろう。でも恐ろしかった。スキルに"神"なんて付いている。他人に見せられないだけでなく、デメリットもありそうじゃない?
でも試す機会はやってくる。
サリアラーラの小屋から帰った時だ。僕は妖精の世界へ直ぐに戻ることにした。
あの範囲指定の土地へだ。
使い方はとても簡単だった。
解錠した【八卦神門】を脳で意識する。転移の門を選択。自分が掛けた施錠場所、施錠した人の傍、解錠した人や物の傍等、【鍵】使用に関わったものが選択肢に入ってくる。
僕はあの場所を淀みなく選択した。
ちなみに目を閉ざしたミノタウロスの所へは行けなかった。誰かが討伐したのかもしれない。
「うぉぉぉなのじゃ!」
「「おかえりー!! 早いご帰還ー!! アハハー!」」
しんみり別れを惜しみ、余韻に浸っていた妖精王達はまだフェアリーゲートにいたようだ。
「やぁ! ただいま」
相変わらずそろった声が可愛い。だけど妖精王は容赦無い。
「早速乙女のクローゼットを使いこなすとは恐れ入ったのじゃ!」
「ち、違うし!」
いや、強いですよこのスキル。




