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鍵屋無双 ~いや、すごい強いですよこのスキル~  作者: TAKUTOJ
閑章 その頃の勇者たち
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1 九条院 賢介(くじょういん けんすけ)

閑章3話の一番目

 

(おいおいおい、なんだなんだ!?)


 九条院賢介くじょういんけんすけは自身の通う高校からの帰り道、突然の眩い光に対して右腕で顔を隠す形で対処した。


 182センチ、75キロ、筋肉質で、平たく言えば細マッチョである。


 弓道部に所属してかれこれ2ヶ月になる。憧れの弓を手に持った感想は『素晴らしい』という高校生にはあまりそぐわない物言いだった。2年の先輩達は、苦笑を浮かべつつも彼の感激具合を心から喜んでいる。それを自覚しているのか、彼もまたその期待に答えようと一生懸命練習に明け暮れた。


 といっても最初から毎日弓に触れることは許されず、基礎トレーニングや筋肉トレーニングを繰り返している毎日だ。最初に持たせてもらえたのも、モチベーションを下げないようにする心配りだったのだろうと予測していた。


 毎日毎日体を鍛えることに嫌気が差さないよう時折弓に触れる機会も与えられていた。実に人の心を掴むような、離さないようなメンタルケアも充実している。なかなかに近代的な考え方を取り入れた部活だ。


 全国大会にまで後少しというところで敗退した昨年だけでなく、実力は顧問がその教育方針に切り替えた3年前から徐々に成果を発揮している。学校側も顧問に対し、大きな期待をかけはじめていた。


 九条院賢介は弓道部のあるこの高校に主席で入学し、生徒代表で挨拶を行なった校内の有名人である。彼が弓道に惹かれたのはテレビの影響だ。大河ドラマや世界大会、ドキュメンタリーなど、様々な分野で弓に注目した。中学生の時にお城の見学ツアーに行ったおり、立てかけてあった展示品に目を奪われたことが始まりだった。


 その彼が下校途中に遭遇したのが転移魔法陣。


 またたく間に姿を消してしまう。


 3件の少年少女失踪事件の一つとしてニュースで取り上げられる事となった。





 彼の脳内でシステムメッセージが響く。


『スキル【剣術・上】を獲得』

『スキル【弓術・極】に昇華』

『スキル【身体強化】を開放』

『スキル【魔道・下】を付与』

『ジョブ【勇者】、【剣士】、【弓師】、【魔法使い】になりました』

『特異属性:光属性』


 各能力や職業は体内にスルッと情報として取り入れられる。


 一瞬の出来事であるものの、彼にとっては長い時間が掛かったような錯覚に陥った。膨大な戦闘方法の情報である。違和感や忌避感、日本人として培ってきた倫理に反する行動の蔑視が頭を過ぎった。一方すんなり体がそれらの情報を受け入れている事に驚きや困惑もある。


 立っている場所はまだ識別するには曖昧だった。


 光りに包まれていて、未だに周りは歪んで見えているから。


 賢介がすべての情報を取り入れ終わる頃には取り巻く光は霧散して、歪みも納まっていた。周りに目を向けると、学生服に身を包む小さな二人が左に立っていて、不安そうにキョロキョロしているのが目についた。


 そして、部屋とも思えない石造りの壁に目を向けて、ゲームでよくあるお城の地下のような場所だなと漠然と感じたのを最後に、彼は意識を目の前に向ける。


 そこには未だにテレビでさえ見たこともない美しい少女と、帯剣した女性たちがその後ろに控えており、警戒心が一気に上がった。


「ようこそ『勇者様方』」


 という言葉を発したのは、件の美少女だった。





1から3まで続きます。

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