伝えるということ
嘘つきな「私」がいた。
弱虫な「私」がいた。
泣き虫な「私」がいた。
馬鹿な「私」がいた。
1人ぼっちの「私」がいた。
「私」には秘密があった。
家族も知らない秘密。
友達も知らない秘密。
誰も知らない秘密。
多重人格な「私」。
1人で泣く「私」。
自分を忘れてしまった「私」。
「私」には謝罪をしなければならないことがあった。
誰かに言いたくても言えない謝罪。
誰も知らない謝罪。
誰にも見向きもされない謝罪。
嘘をついてごめんなさい。
暴力を振るってごめんなさい。
勝手に泣いてしまってごめんなさい。
みんなの邪魔をしてごめんなさい。
迷惑をかけてごめんなさい。
約束を破ってごめんなさい。
言うことを聞けなくてごめんなさい。
我が儘を言ってごめんなさい。
涙を流してごめんなさい。
「私」には感謝をしなければならないことがあった。
家族に言えなかった感謝。
友達に言えなかった感謝。
世界中の人に言えなかった感謝。
いろんなことを教えてくれてありがとう。
そばにいてくれてありがとう。
必要としてくれてありがとう。
なぐさめてくれてありがとう。
話を聞いてくれてありがとう。
頭を撫でてくれてありがとう。
優しくしてくれてありがとう。
勇気をくれてありがとう。
笑ってくれてありがとう。
歌ってくれてありがとう。
怒ってくれてありがとう。
涙を流してくれてありがとう。
嬉しそうにしてくれてありがとう。
助けてくれてありがとう。
守ってくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
「私」は生まれてはいけない、いてはいけない人間だと思っていた。
だけど、
たくさんの人が「私」を必要としてくれた。
たくさんの人が「私」に手を差し伸べてくれた。
だから私は今、生きている。
これは、「私」が目の前で体験したことです。皆さんが「当たり前」だと思っていた日々は本当は美しく輝いています。ちっぽけな世界と思わないでください。本当はとても広く案外、大きな優しさに包まれた世界です。だから、あなたの周りに伝えてください。今まで言えなかった「ありがとう」を。