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やっぱり咲さんは……(泣)

評価ください……(泣)

お気に入りしてください……(号泣)

ぬわ~んっ!


次週ロリキャラ登場!(笑)


それからしばし歩くこと三分、僕の精神もやっと落ち着いてきた頃、咲さんはメモを見ながら歩くとある一件のお店の前で足が止まった。


「……もし、ここでしたら僕待っていますからね……」


 あからさまにふてくされた顔で、嫌そうに言う。


「だってオフ会の場所って九十九里浜なのよ? これ絶対に必要じゃない」


 咲さんはそう言うとブライドガラスの先に商品として展示してあったビキニを指さした。


「いやですよ! 下着も水着も対して差はないんですから、とにかく僕は絶対に行きませんよ!」


「なに言ってんの! 下着と水着は全然違いますぅ! それともなに? 朝顔は私のスクール水着姿見たくないの?」


 咲さんのスクール水着……。


「……着てくれるんですか?」


「ええ」


 ――十分後――


「騙されたあぁぁぁぁ!」


「へっへっへ、騙される朝顔が悪いのよ」


 咲は悪そうな笑みを浮かべて僕の背後から出てくる。

 咲さんがスクール水着を買うと思ったからせっかくついていったのに、店内に入ると咲さんは約束通りスクール水着を持ち、何故か試着室に入ると水着姿で現れすぐに隠れた。それはもうシャッシャッて感じで、水着姿は恥ずかしがり屋とかそういう性格を有無言わずに恥ずかしかったらしい。それでも、カーテン越しからは「はい。ちゃんと着ました。見せました」という声が聞こえて、次カーテンが開いたときは私服に戻っていた。で、それから、咲さんは白のビキニを選ぶと例の如く、僕が買わされて今に至る。

 僕の精神力はすでに一しか残っていなかった。


「ほら、しゃきっとしなさいよね! もうあとは軽いのしかないんだから!」


 そう言って咲さんは僕の背中を叩く。


「そ、そうですよね! 後は軽いのしかないですよね! それじゃあ行きましょう!」


 ――一時間後――


「だ、騙された……」


「へっへっへ、騙されるのが悪いのよ」


 咲さんは悪い笑みを浮かべて言う。

 たしかにさっきよりは軽くなった。なったが、しかしそれでも女性物の服や女性物の靴を買うのはしんどかった……。しかもみんながみんな、女性の店員だから余計に僕へのダメージは大きい。どうして気づかなかったんだ……。

 それでもやっと終わっただろう。僕の右手にはオフ会で必要な物がどっしりと、左には今夜の夕食がどっしりと、これだけあれば他に必要なものはあるまい。


「……こ、これで終わりですか?」


 まるで十二ラウンド全力で戦ったボクシング選手かのような声で、咲さん訴える。


「うん、そうね、でもちょっと待ってて、ちょっとお花を摘みに行ってくる」


「お花を摘みに? なんですかそれ、僕も行きたいです」


「トイレに行くって言うことよ!」


 へぇー、お花を摘みにってトイレに行くっていう意味なんだ……初めて知った、っていうか咲さん、一人で歩けるじゃないですか。

 咲さんは僕から離れて普通に通路を歩いていた。やっぱ、さすがにそこまでは恥ずかしがり屋さんじゃなかったのか。

 それから十分ほど経過してから赤面状態で咲さんは帰ってきた。どうやらやっぱり、少しはダメみたいだ。


「だいぶ長かったですね」


 お店から出るとなんだかんだでだいぶ時間が経っていたみたいで薄っすらだが、月が現れ夕焼け空に近づいていた。

 咲さんは僕の隣を歩きながら話す。


「女の子はトイレが長いの」


「へぇー、なぜです?」


「まあ、いろいろとあってね、って朝顔見て、これなぜかポケットに入っていたんだけど?」


 というと咲さんは自分のポケットから白い小さな髪袋を取り出し僕の前に出した。


「なんですかそれ?」


「うーんとね、なんだか石見たい。ちょっと開けるね」


 咲さんはそう言って白い紙袋を逆さまにする。すると、中から青いつるピカリとした石が出てきて咲の小さな手のひらの上に乗っかった。

 それは迷うごとなき、僕が欲しがっていたやつで、


「な、なぜ咲さんがそれをっ! と、とにかうありがとうございます咲さん」


 勢いで咲さんから受け取ろうとしたが、両手が荷物で埋まっていてとれない。

 その青い石は、太陽の光に反射してお店で見た時よりも魅力的見えた。


「誰が朝顔にあげるって言ったよ」


 咲さんは石を僕から遠ざけてイジワルそうに言う。


「え、くれないんですか!」


「えへへ、うそよ。じゃあポケットに入れてあげるから無くさないようにするんだよ?」


 そう言って咲さんは僕の左ポケットに入れて、楽しげに鼻歌を歌い始めた。

 なんだか今日の咲さんはすごく楽しそうで、よかったである。いつも行かない大きいなデパートではしゃいだのだろう。でも、この調子ならうまく友達もできそうだ。


「それじゃあ、早く帰ってご飯にしましょうか」


「うん」


 と、その時まで僕達は何事もなくオフ会を迎えると思っていた。


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