……夢……
今回短いよ、
でも次回その分長いよ、
(朝顔君、起きなさい。君はまだ死んじゃいけないよ)
「だ、誰!」
気づくと僕は真っ白い世界にいた。一面真っ白。
どこからどこまでが壁でどこからが元の世界なのかわからない。だが、なんとなくその声は懐かしみのある優しい声だ。
(ここは、朝顔の夢の中だよ。だから君は生きている)
僕は生きている……じゃああれは夢じゃなかったってこと?
その声は僕の心に直接話しているみたいで、口に出さなくてもなんでも伝わるような気がした。そして、それは本当に口に出さなくても伝わった。
(僕はどうなったの?)
心の中に訊いてみる。
(朝顔君はね、ちょっとおてんばな少女からクリティカルヒットを貰って寝むちゃっているの)
そう言うと僕の心の住人はカッカッカと軽快に笑った。
そうか、やっぱり最後の一撃が効いたんだな。
二リットルのペットボトルで殴られる瞬間が鮮明に思い出される。
(それじゃあ、僕は生き返るんだね?)
その質問に心の住人は笑うのを止めて真剣なトーンで答えた。
(ああ、だって君はまだやることがあるだろう?)
(やること?)
(そう、あの子と一緒に友達作りをすることさ)
そう言うと僕の頭の中にあるヴィジョンが浮かんだ。それは、僕の横に照れくさそうに毛布に包まりながら今にも泣きそうな声で僕の頬を叩いている咲さんだった。
「ねぇ、朝顔! パンはパンでも固いパンはな~んだ? ほら、頭良いんでしょ? これぐらい簡単よね? ね?」
咲さんはぐずりながら『なぞなぞ大全集』と書かれた本を片手に、必死に僕に問いかけている。
(ね? てことで朝顔はあと二時間後目が覚めるから。後は自分で頑張るんだよ?)
そう言うと心の住人がどこか行ってしまうのを感じる。きっと移住でもするのだろうか?
(待って! 最後に一個教えてほしいの。僕はなんで体調が悪くなったんですか?)
その質問に心の住人は小さな消え入りそうな声で答えた。
「脱水症状」
おお、脱水症状か……。なるほど、元はアサガオだから人間になってもアサガオ効果があるってわけね。なかなかできたものだ。
とりあえずここがどこで、さっきのは誰だったのかは置いとき、自分の具合が悪くなった原因もわかったことなので残りの二時間は、この空間に終わりがあるのか調べる為に走り回ることにした。
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僕もう……もう……