信号機
職場一日体験、ということになるのかなあ。
もし、一日だけ別のものになれるとしたら、信号機になってみたい。
道路に立ってる、あの信号機。
車好きにはたまんない体験だよ、きっと。
一日一箇所に留まっていられていろんな車が、見放題。
けっこう高い位置から見られて、気分は向上。
あんまり注目されない。
見られるとしても、ほんの一瞬だけ。
いろんなかたちの車、いろんな色の車、いろんな大きさの車、そこに乗っているひとをも観察できる、とても魅力的な場所。
いないと交通はメチャクチャになるだろうし、でも、あんまり嫉妬深く迫ってこられたりもしないし。
必要とされている存在だけど、あんまりギトギトしてない職場。
いわばドライな立場?
声を発しなくていいし、いろんな光景を一箇所で見ることができる。
う〜ん、なんておいしい場所なんだろう。
いつでも誰かにそばにいられると、時々嫌気が生じたり。
いつでもひとりぼっちだと、ほんとは寂しいくせにやけに強がったり。
だから時々、こういう信号機みたいなところに一日たたずんで、流れに身を任せてみるって体験も、必要なのかもね。
でも、ずっと一箇所にたたずんで、自分以外の者たちだけがただただ動いていくのを見ているのも、狂おしいほどに辛くなったりもするから、信号機体験も時々でいい。
こんなふうに、いろいろ時々っていうことを、忘れないようにしよう。
いつも同じ状態では、そこにあるはずの大切なものを感じられなくなっちゃう気がする。
だから時々、離れてみたり、時には留まって悩んだりして。
別のところで、さっきいた場所のありがたみとか、急に分かったりもする。
そういうふうに、いろいろ巡って、それぞれに存在している大切なことたちを、見つけてあげたい。
その一箇所に、信号機みたいな場所をキープしておいても、ありだよね?
うん、ありあり。
日々、ちょっとずつ想ったことを、短くまとめています。感想などございましたら、ぜひお寄せください。