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彼女と彼の日常5

シリアス前にw

これは戦い。


如何に気配を消しターゲットを捕縛出来るか。チャンスは一度きり。


己の生死をかけた、戦いなのだ。


「隙ッ!ありぃいッ!!!」

威勢の良い掛け声と共に廊下を歩く美丈夫へと突撃する少女。


彼女の腕は男を捕獲するため真っ直ぐに伸びる。


タイミングも全て完璧。だが。


「隙無しだ。」

男は一筋縄ではいかない人物であった。前を向いていた筈の男は素早く回し蹴りをしながら振り返る。


獲った(殺った)


そう男は思ったが、しかし感触が無い。


「…ふっ、甘いですよ。」


「っ!」

床にへばりつき華麗なる回し蹴りを避けた少女は体のバネを利用し、体勢を崩した男に今度こそ抱き着こうとした。



ガシッ!


「うぐぅっ!」






「…………えーっと、学習しようよキーナちゃん。」

ルディースル国国家騎士団副隊長であるアレンは目の前の男、グエンダルに顔面を鷲掴まれた少女、キーナに呆れ混じりに言った。


「何言うんですかアレンさん。例え火の中水の中、シェリーさんのスカートの中。そこにグエンさんが居る限り私は諦めません!」

多分グエンダルの手の下では腹立つ程のどや顔なのだろう。


「何でシェリーのスカート…。」


「いやぁ、グエンさんも男性ですかたたたたた!痛い痛い頭蓋骨が崩れるぅううッ!!!」


ミシミシとグエンダルの手に力が入れられる。


「おい、ゴミ虫。貴様の所為で私の本が落ちたではないか。阿呆口で阿呆な事を抜かすなら拾え。」

地べたに這いずってな。


瞳孔開き気味のグエンダルが身も凍るような声で唸る。



「拾います拾いますだから頭蓋骨ぅう!!!」

キーナ、半泣きである。


グエンダルに離して貰い、ブツブツ文句を言いながら本を拾う。



「もうっ、相変わらず愛が痛いんですから。照れ屋さんめぁあいたたたたたたずみまぜん〜ッ!!!」


「だから学習しようよキーナちゃん。」


ギリギリと再び顔面が掴まれるキーナが、手に持つ本を振り回す。


ひらり



本の隙間から何か細長い紙の様なものが落ちた。


「?」

それに気付かないぎゃぁぎゃぁ騒ぐ(キーナが煩いだけ)二人の代わりにアレンが拾う。


それは。


「ッ!……グエン、栞が落ちたぞ。」

アレンは衝撃を受けた。

なぜならその栞は可愛らしい黄色の小さな花、リリーの押し花だったからだ。


その様な可愛らしい栞を持っているなど明日は世界の滅亡か。



「!!!」

物凄いスピードで身を翻し栞を奪い己のポケットへ入れるグエンダル。


「「…………。」」


「ん?え?何ですか?てか顔面が痛いんですけど。」


奇妙な沈黙が二人を包み、ツイッとグエンダルはアレンから目を反らした。二人が出会い初めての事である。



「あっ、あぁ~ハイハイハイ。ね、そうね、ハイハイ。可愛いよねリリげふぅッ!!!」


「ア、アレンさぁあん!!」


何かに気付きニヤニヤしたアレンの鳩尾にグエンダルの拳が決まる。イケメン台無しの白目で崩れ落ちた。



「不愉快だ、寝ていろ。」

本当に不愉快なのだろう。眉間の皺深すぎ、瞳孔開きすぎだ。


「何があったんですが!と言うか何をやらかしたんですかアレンさぁん!!」


「…り、りぃ…ぐふ。」


「アレンさぁあん!」


うっすら微笑み白目を剥くアレンを揺さぶるキーナに遺言を残したアレン。


「ひ、酷いですグエンさん!アレンさんをこんな不細工な顔にしてしまうなんて!」


「オイこら。」

目を開けたアレンは無視だ。


「…。」


「ぉわっ。あ、ひたた、何ふるんれふ。」


不機嫌な顔のグエンはアレンを抱き締めるキーナの腕を引っ張り上げる。(それによりアレンは再び床に沈む事になる)


そしてその顔のままムニュ!とキーナの頬を摘まんだ。



「…お前の所為だろう。」


「落とひたのはわりゅいと思ひますけろ!(落としたのは悪いと思いますけど)」


「そうじゃない。(ボソッ)」


「え?」


「その馬鹿を連れて来い。」


「えぇ!めんどくさい!」


「キーナちゃん早く背負って~。」


「起きてるなら歩いて下さいよ!」


「や、本気で起き上がれない。」


「グエンさぁん!!」



栞を入れた本は持ち歩かない。

そう、無視して歩くグエンダルは心に決めた。


栞を捨てるなど考えなどチラリとも浮かばず。



時系列的にはまだどっぷりぬるま湯に浸っている平和な時です。



最終前に甘さが欲しい!と言うことでw


ちなみにグエンダルがもつ栞のリリーはいつかのキーナからのものw

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