ブラックドラゴン
突如現れたブラックドラゴンと対峙しているブリードは若干の焦りを抱いていた。
ただ戦うだけならば苦戦はしないがキターシャを守りながらとなれば苦戦はするだろうと考えたからだ。
そして戦闘が始まったが結果としては想像よりも苦戦はしなかった。
氷魔法を使い、足を拘束しても簡単に抜け出されてしまうがどうやらまだブラックドラゴンは、増加した力を完全に我がものとしていなく、その強大すぎる力に振り回されている様子だった。
足の拘束を破壊しようと力を入れれば地面もえぐりバランスを少しだが崩したりブレスを吐けば少し体が後退してしまい、少しだが隙ができていた。
そんな些細な隙でもブリードからすれば十分なくらいであり魔法を叩き込み着実に弱らせることができていた。
だが、戦っていくうちにブラックドラゴンに変化が生じてきた。
さっきまでの隙が全くといっていいほどなくなり、ブリードの攻撃にも魔力の塊を使い少しずつだが対応できるようになっていた。
「ちっ、時間がかかるほど俺が不利になっていくか…」
だがそんな事も言ってられなくなるのは目に見えていた。
一旦キターシャのことは放置してブラックドラゴンを倒しに行くべきか、はたまたキターシャを守りながらもこれまでどうり戦うべきか少し考えたがすぐに答えは出てきた。
「よし、取り敢えず結界でキターシャを守るか」
結界魔法はかなりの魔力と集中力が必要なためこれまで使わなかったがそうは言ってられないのでキターシャを守れるだけの結界を張った。
ブリードの結界は、並大抵の攻撃では壊れたりしない。
それこそ大精霊レベルの攻撃でもなければヒビひとつつかないだろう。
結界を張ったあとブリードはブラックドラゴンと対峙した。
戦闘態勢を整えながら相手の出方をうかがっていると相手もこちらの出方をうかがっているようだった。
そしてしびれを切らしたのかブラックドラゴンがブレスを放ってきたので氷魔法をバリアのように使いながらいなし、それと同時により魔力を込めてブラックドラゴンに氷魔法をぶつけた。
するとこれまでかすり傷程度しかダメージを与えられてなかったが鱗を砕くことに成功した。
この調子で勝てればよかったのだがそうもいかないらしい。
ブラックドラゴンを取り囲む黒いオーラがより濃くなり更に数も増えてきていた。
ブラックドラゴンは、そのオーラを防御に使ったり、ブレス以外の攻撃手段として使っていた。
そして、近接戦闘に持ち込まないのは本能的にブリードの隠し持っている剣を警戒しているのだろう。
なぜならブリードの剣は母親から受け継いだ伝説級の武器であり性能も市販のものとは大違いだからだ。
それからお互いにより魔力を込めて攻撃してはより魔力を込めて防御するといったように一進一退の攻防を繰り広げていたのだが終わりは突然やってきた。
ブラックドラゴンの動きが急に鈍くなってきたのだ。
どうやらブリードの魔法や最初の魔力の暴走によって無駄に魔力を使いすぎたことにより本来ありえないはずの魔力切れをおこしかけている様子だった。
一方ブリードはというと母親譲りの底なしの魔力のお陰でまだまだ魔力に余裕があった。
そしてその隙を見逃すわけもなくこれまでよりも魔力を込め、魔法を放った。
とてつもない咆哮のあとブラックドラゴンは霧のように魔石だけを残して消えていった。
それからは魔石を回収し、キターシャを連れて地上まで戻ってきた。
「ブリード君すごいね、あのドラゴンに勝っちゃうなんて!それに比べて私は…」
といっていたので
「キターシャもこれから一緒に強くなっていこう」
といい励ました。
そして換金所まで行くと、
「こ、これは…どうしてあなたがこの魔石を?」
と、ブラックドラゴンの魔石を見るなり鑑定士が驚いていた。
これから本部でも話す予定だが実際にさっきあったことを話して見ると
「そ、そんなことが…いや、これまでそのようなことはなかったはずだが…」
と、少し混乱させてしまったようだ。
そして査定が終わり金額を聞くと金貨3枚に銀貨5枚だということだ。
そしてキターシャと山分けしようとしたのだが
「私は何もしてないから…」
と、受け取ろうとしなかったがとりあえずこれまで色々教えてもらったお代だと言って無理やり金貨一枚を押し付ける形で渡すことができた。
そして、しばらくはダンジョン開放は行わないそうなので明日は何しようかと考えていたところ
「もしよかったら明日、買い物に付き合ってくれない?」
と言われたのでついていくことにした。




