仲間
二次試験が終わり、次の試験まで約1週間
時間があるので街に出てみることにしたのだが…
「ねえ聞いた?あの子魔力は多いのに氷魔法しか使えないらしいわよ」
「ねぇ~、可哀想ねぇ」
などとみんなのうわさ話が聞こえてきた。
どうやらインパクトが強すぎたらしく誰かが話し、そこから広まってしまったらしい。
「はぁ~これからもこういうふうに噂されるのかなぁ」
などとぼやいているとこの街のギルドが見えてきた。
そう、今日俺はギルド登録をするために街に出たのだ。
そしてギルドで実績を上げるとランクを上げることができ、最終的には俺の目的の達成につながるのだ。
そのためギルドに来てみたのだが…
「別に身体強化魔法でも戦えるんだから登録させてよ」
「いやしかし、魔物は強いのであなただと簡単に死んでしまいます。ですので登録はおやめになったほうが…もし登録するとしてもパーティを組むのをお勧めしますよ」
などと言い争いが起きていたのだ。
実際この世界では、基本的な魔法の他にサポートとして身体強化魔法を使うこともある。
しかし、それをメインで使う人はごく少数のみである。
そのため彼女がパーティーを組まず一人で登録しようとしているから止められているのだろう。
「あのー登録をお願いしてもいいですか?」
と俺が言うと。
「あーすいませんいま向かいます」
といい獣人の少女の対応をしていた人が俺のとこまでやってきた。
その行動に対し少女はもちろん納得するはずもなく
「どうしてそっちに行くの!まだ私の登録が終わってないでしょ」
などと騒いでいた。
そして流石に可愛そうだと思っていたら
「あっ、もしかして同じ学校を受験してた氷魔法使いの人!」
とどうやら俺に気づいたらしい。
まぁあれだけ噂になってるくらいだ、知っているのも変ではないか。
そんな事を考えているとその獣人はいいアイデアが浮かんだとばかりに目を輝けながらブレイドの目を見て
「そうだ!もしあなたがよろしければ私と…その…パーティーをくんでもらえないかな…」
ととても申し訳無さそうにお願いされた。
正直俺は一人で活動しようと思っていたが流石に可愛そうだと思い
「まぁ別にいいよ」
というと少女は尻尾を揺らしながらとても喜んでくれたようだ。
「本当!?ありがとう助かったぁ…ならまずは自己紹介から、はじめまして、ではないかな私はキターシャ・クロード、これからよろしくね」
というふうに自己紹介をしてきたので
「俺はサガ・ブリードだ、これからよろしく」
といった。
するとキターシャは
「えっあの大精霊と同じ名前が入ってるなんて…もしかして何かしら関係があったり…?なんてね、そんなことないか」
と、少し気まずさを覚えたように聞いてきた。
というのも実は母は氷の大精霊であり、人間からは恐怖の対象として見られている。
そして俺が唯一勝てなかった相手である。
そんな母がなぜあんな人間なんかに殺されたかというと精霊の体はほとんどが魔力でできているからである。
しかし、人間の使ったアーティファクトでは母を殺すことは不可能に近かった。
しかし、人間は母を殺した。
それは母が俺を産んだことにより、魔力が不安定になってしまっていたことが原因だ。
普通に暮らしているだけなら問題ない。
そして、その状態でもブリードを圧倒できるほどである。
しかし、人間の使うアーティファクトとの相性は最悪だった。
ただでさえ不安定な状態であったところにさらなる乱れが発生し、まともに立っていることさえ不可能な状態に陥ってしまっていたのだ。
ちなみになんで俺は魔法を使えないだけで他に影響がなかったのかと言うと人間と精霊のハーフだからである。
普通は大精霊が子孫を残す際は魔力によって分身を作り出す。
しかし、ブリードの母はそのようなことをせず、人間との間に子供を作ったのだった。
やがて、裏にいったん戻ったギルドの職員が登録書を持ってやってきた。
「パーティーでしたらどうぞ、こちらにサインしてください」
そしてサインをしている途中
突然バンッというとても大きな音を立てギルドの扉が何者かによって破壊された。
そしてその音のした方に顔を向けると強面の男が5人ほど立っていた。




