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救済

ブリード達がブラックドラゴンの姿を確認したときには一人の受験者が殺されかけているところだった。


「クッ、間に合え!」


ブリードはとっさにブリザードランスを放った。

ただ、その攻撃でブラックドラゴンを倒せたとは思えない。

そのため、ブリードが走っていこうとしたときにはもうすでにキターシャが走り出していた。


「とりあえず私が救助に向かう。その間の足止めはお願いね!」


「あぁ」


そう返事をしつつブリードはブラックドラゴンに魔法を次から次へと放っていったのだった。



私はもう死ぬのだとばかり思っていた。

だってこんな大きなドラゴンに勝てるのはSランクの冒険者かAランクの冒険者くらいだし。

そして、もちろん今年の受験者の中に、そのランクに当てはまる人はいなかった…はず。

もしいたとしても運良く近くにいて助けてくれるわけはないと思っていた。

そして、諦めて死を受け入れようとしたときに異変は生じた。


「クッ、間に合え!」


そんな声と同時に魔法がそのドラゴンに直撃した。

しかもドラゴンにダメージまで入れられていた。

そして、私はもうひとりの受験者に拾われて、一瞬でドラゴンから距離を取ることに成功した。


「ケガはない?もう大丈夫だから!」


獣人の少女はそうやって太陽のように明るく振る舞いながらもうひとりの受験者の方へと近づいていった。



「ブリード君、このブラックドラゴンは私が戦ってもいい?」


キターシャにそんなことを突然言われ、少し戸惑ってしまった。


「でもいくら強くなったとはいえキターシャでも流石にきついんじゃ…」


ブリードが心配してそう言うとキターシャは明るくこう答えた。


「大丈夫!まぁ最悪ブリード君がなんとかしてくれるでしょ!」


そういうなりキターシャは、ブラックドラゴンと対峙した。


「もうこの前みたいな無様な姿はさらさないよ!覚悟してね!」


そう言い、キターシャは、全身に身体強化魔法を纏い、数十メートルの距離を一瞬で詰め、ブラックドラゴンを肉薄にした。

そして、キターシャの一撃がブラックドラゴンの胴体に入った。

ドーンというとても大きな音を立てながらブラックドラゴンは、少し後退した。

しかし、ダメージ的には胴体の鱗が多少砕けたくらいで、もうすでに回復が終わってしまっていた。


「硬っ。何この硬さ。これを破壊しながら核を壊さなければいけないとなると…えっ、やばくない?」


キターシャは、改めて、自分の置かれている現状に気づいたようだ。

とはいっても今の一撃が全力というわけではない。

そして、しっかりと距離を取り、ブラックドラゴンのブレスを避けながらキターシャは、着実にダメージを稼いでいった。



「はぁ、はぁ、早く試験官のところまで戻って援軍を呼ばなくては」


クレア達は、急いで森の外を目指していた。

少なくとも、今のネリアがあのドラゴンと戦ったところで勝てないだろう。

しかし、なんとか逃げ切ってほしいという期待を胸に抱きながら全速力で森を駆け抜け、やがて試験官達がいるところまで戻ったクレアはすぐ近くにいた男に話しかけた。


「あ、あの、森の中にドラゴンが出てきて…」


そして、言葉を言い終わる前にその男はとてもおもしろそうに手をたたきながら笑い出した。


「あー、君たちがあのドラゴンと出会ったんだ。それは災難だったねー。ただ、今から行っても間に合わないと思うよー。だってあのドラゴンはSランクの人と同等か、それ以上の強さのモンスター、ブラックドラゴンだもん」


私は、毎年半分以上の受験生がなくなっていることに対して少し納得した気がした。


「なんであなた達はこんなことをするのですか?」


怒りが抑えられないながらもなんとか平常心を保ち、そう質問をしたのだが…


「俺達の目的は魔神の復活さ!そのためにはたくさんの生贄が必要でね〜まだ半分くらいしか集まってないんだよね〜」


正直こんな奴らが試験官をしていたことに驚いているとその男は言い忘れていたように話をし始めた。


「あっそうそう、ちなみに俺達は試験官じゃない。試験官達は殺さない程度に痛め付けておいたよ」


そんな話を聞いたとき、どこか寒気を覚えた。


「俺の名はバルトルト、魔人の王である魔神を呼び出すために努力をしている"デビルエンド"というグループの幹部をしている」


次から次へと新しい情報が出てきて何がなんだかわからなかったが一つだけはわかった。


「こんなことを平然とするあなた達は絶対に許さない」


怒りのままにそう言葉を発するとバルハルトは、


「一応言っておくけど…生きて帰れると思うなよ」


冷酷な表情で私達に対して殺意を放ちながら魔法の準備をしていた。

しかし、突然森の方でいきなり大きな音がした。

音のしたほうを見ると、そのあたりは、それまで闇に染まっていた場所であり、若干ではあるが闇が薄くなってきている。


「ははっブラックドラゴンをここまで追い詰めることができたのか。それは褒めてやるがここから絶望を味わうことになるだろう」


私はただ、ネリアの無事を祈ることしかできなかった。


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