特訓
「ごめん、今まで黙ってて。俺は精霊なんだ」
俺はキターシャから非難されても仕方ないと思いつつキターシャの言葉を待ったのだがそれは予想外の言葉だった。
「それならそうと先に言ってくれればよかったのに」
非難するどころか、なぜ言ってくれなかったのかという思いのほうが強いらしい。
すると、すこし申し訳無さそうに精霊が、
「あー、ところで二人はなんでこんなところに?」
と聞いてきた。
確かに試験でここまで来る人のほうが少ないだろう。
それから俺たちは試験について精霊に話した。
「なんだそういうことか、だから毎年何人か人が来てたんだな」
精霊の話によればこうらしい。
昔、森を荒らす盗賊がここまで来たらしい。
そのせいで精霊たちは人はみんな悪いやつだと思い込み、毎年何人もの受験生を殺していたらしい。
そのため、俺達にも攻撃したそうだ。
それから、俺たちは精霊に案内され、更に奥へと進んでいった。
「そういえば自己紹介がまだだったな、俺はイフリート、よろしくな!」
「俺はサガ・ブリードよろしく」
「私はキターシャよろしくね!」
軽く自己紹介をしているとどこか懐かしいような家々が並んでいた。
家と言っても街にあるような大きな家ではなく、土のレンガや木で作られた簡単な家だ。
精霊の住処につくと、みんながキターシャを警戒していたが、俺とイフリートと一緒にいることでだんだんと警戒が薄れていった。
その後、この村で一番偉いとされるイフリートの親であるイフリートロードと話し合うこととなった。
「ようこそ、私達の村へ。精霊以外が来たのは久しぶりだがゆっくりとしていくがいい。」
「なら、まずこの村について知りたいんだがいいか?」
ブリードがそう言うとイフリートロードは、
「そういうことならイフリート、村を案内してあげなさい。」
と、イフリートにいい、イフリートは
「ああ、わかった」
と返事をした。
それから俺たちはイフリートに村を案内してもらった。
そして、イフリートは、ある一つの家の前で足を止め、
「これからしばらくはこの空き家で過ごしてくれ」
「あぁ、ありがたく使わせてもらうよ」
イフリートに、そう言われ、断る理由もなかったので家を一つ借りることになった。
そしてそれから、暇になったのでキターシャの訓練をすることになったのだがどうやらキターシャは、魔法よりも単純な近接戦闘のほうが得意らしい。
俺は普段身体強化魔法を使いながら、戦いをしているが実際の魔法なしの単純な力ではキターシャには遠く及ばない
しかしキターシャは、俺とは違い、単純な力が高く、すぐに身体強化魔法を使っている状態の俺にも追いつくような勢いで成長し、試験5日目になったら俺をすでに追い越してしまっていた。
まぁ魔法の精度が天と地ほどの差があるためまだ俺がキターシャに負けるようなことはないがいずれは俺を超える強さを手にするだろう。
キターシャは身体強化魔法しか使えないがそれを使うことで簡単に岩を砕いたりできるようになっていた。
(魔法を使うと簡単に砕けるがやはり安定はしない…か)
とにかくまだキターシャの魔法の精度は悪い。
並大抵の奴には勝てるだろうがSや、Aランクの冒険者には手も足も出ないだろう。
そして、これからも定期的に訓練をすることを約束したのだった。




