買い物
明日はいよいよ三次試験だ。
そして、三次試験では毎年半数以上の脱落者が発生し、脱落者の中には死亡者も少なくないという。
そして今日はそのための物資をキターシャと買いに来たというわけだが…
「あっ!こっちのスイーツも美味しそう」
なぜか二人で食べ歩きをしていた。
「いや、今日は明日の物資の買い出しじゃないのかよ」
といってみるが、
「少しくらいいいじゃん」
と言われ続けかれこれ2時間以上が経っていた。
はじめは朝食のためにカフェに入りサンドイッチや、ちょっとしたアイスを食べていた。
ここまではまだわかるのだがここから牛串や焼き鳥は、10本ずつ、クレープに関しては一人で15個以上は平らげていた。
それにしてもあの体のどこにこんなにたくさんの食べ物が入るのだろう。
そんな疑問を抱きつつも歩いていると
「ふぅ〜、腹八分目だしそろそろ買い出しに戻ろ〜」
といってきたのでつい
「はぁ〜、ようやくか…ってか腹八分目!?」
と、突っ込んでしまった。
だが、キターシャは気にすることなく防具や武器、ポーション、などをおいている目当ての店へと入っていった。
ブリードも続いて入ったが中には明らかに高そうな物品が所狭しと並んでいた。
「わ〜、なんかすごい高そう…」
といい、値段を見たキターシャは絶句していた。
それも無理はないだろう。
キターシャに続き俺も値段を見てみるとなんと防具一式で金貨100枚が必要ということだった。
まぁここまでのやつは買えないが端のほうにある防具などは比較的安いものばかりだ。
とは言っても一つあたり銀貨3枚は必要なので決して安いとは言えないが…
とはいえポーションなどはかなり安く、5本で銅貨3枚で買えて、ブリードとキターシャは、10本ずつ買った。
他にも、ブリードはローブを、キターシャは疲労軽減のエンチャントのついた防具のフルセットと、もしもの時用に短剣を買った。
明日の試験は防具や武器、ポーションは、持ち込み可能だが、食料などは自分たちで調達する必要がある。
そして、ブリードはキターシャと行動することに決めた。
まぁ一人でも大丈夫だがキターシャにとってはきついだろう。
それに、キターシャは、これからも同じパーティーとしてSランクを目指して行く仲間だ。
そして、今日は解散ということになり明日に備え、休むことになった。
「明日からはお互いに頑張ろうな!」
とだけ声にして立ち去ろうとすると、
「頼りにしてるからね、ブリード君?」
などと言われてしまった。
そういえば忘れていたがブラックドラゴン戦で、キターシャには俺の力が見られている。
そのため、これからも精霊だということを隠しながら頑張っていこうと決意したのだった。
私はブリード君と分かれたあと、ふと昨日の出来事を思い出していた。
ブリード君は、魔力は多いけど使える攻撃魔法は氷魔法だけだという。
世間一般では外れだとされているが、ブリード君は、完璧に使いこなし戦っていた。
まるであたりの魔法であるかのように。
そして、これまでのウィスティルの歴史の中でこれほどまでの氷魔法使いは、一人を除きいない。
その魔法使いの名は、サガ・ウェルシア。
氷の大精霊であり、ついこの間討伐されたばかりである。
昔は精霊と共存できていたらしく、人間精霊の結婚などもあったそうだ。
しかし、人間による森林伐採が始まってからというもの、精霊たちとの戦いが相次いで起こった。
そして今では精霊は敵とみなされている。
「ブリード君のあのサガという名前にあの強さ………いやそんなわけ無いよね!」
一瞬ブリード君が精霊ではないかと疑ったがそんなわけ無いだろう。
思考を切り替え私は宿へと向かうのだった。




