7.岡山の人食い用水路は怖いです
主に私は岡山市や倉敷市を中心として生活していますが、この二つの市に「人食い用水路」と呼ばれているものが非常に多いのです。
もともと農業が盛んな岡山では、昔から用水路が多数整備されているそうです。住宅地として開発されたあとも、多すぎる用水路の柵の設置が追いつかず、毎年多くの人が落ちているという話を聞きました。
「車ごと落ちそうになったこともありますねー。それが普通かと思っていました」
と、いつも行く美容室の美容師さんが「車ごと落ちそうになった」場所の写真を見せてくれました。車道のすぐ脇に幅が広い用水路が柵もなく存在しています。
「もしこんな場所で『岡山ルール』でウインカーを出されなかったら、確実に事故になりますね」
考えるだけで恐ろしい。柵がない用水路脇の車道で、ウインカーを出さずに対向車が右折してきたら……私は買ったばかりの新車ごと用水路に落ちてしまうでしょう。まだローン返済が終わっていないのに。いえ、命が危ないです。
岡山市や倉敷市の方々は用水路に柵がない光景が当たり前のようですが、行政に頑張ってもらって、早く丈夫な柵を設置してほしいなあと思っています。人命第一!
今年(二〇二五年)は梅雨の時期が短かったと感じながら、自宅のポストを確認します。町内会の回覧板が入っていたので、家の中でよく見てみることに。
見慣れてきた回覧板ですが、ふと挟まっている紙のタイトルが気になりました。
「竜王山?」
町内会報のようなもののタイトルが「竜王山」なのです。どうして「竜王山」なのでしょうか?
「この近くに『竜王山』っていう山があるのかな?」
「どうだっけ、山が多いから名前まで覚えていないよ」
夫に尋ねても、山が多い土地柄で山の名前を一つ一つ覚えていないらしいです。東京では、山を見かける方が珍しいのですけれども。
そういえば、東京では「富士見」という地名が多いですね。富士山が見える場所だから名づけたと聞きますが、「不死身」に通じる縁起の良さや、富士山への憧れが垣間見える素敵な地名だと思っています。
話が逸れましたが、本題は「竜王山」です。
調べてみると「竜王山」または「龍王山」という山が、岡山県内に数多くあるようです。その数は二〇を超えるとのこと。
全国の「りゅうおうざん」「りゅうおうやま」という山の三割以上が岡山県だということで、竜(龍)を祀った山が多いのは、降水量の少なさに由来するようです。
「晴れの国」というキャッチコピーは素晴らしいと思いますが、干ばつによる雨乞いの歴史がうかがえて、少ししんみりしました。
生活に水はどうしても必要です。災害や水害に備えつつ、危険な用水路のチェックもちゃんと行おうと改めて決意しました。