34.風王騎士団
「いや、今のところはもういいぞ。」
「そうか。」
「ああ、俺はこれからガレンに合流する。」
「そうか。ーー定期的に貴様の方に連絡する。私はこの国を内部から調査しよう。」
「助かるよ。じゃあな。」
「部下さんにもよろしく伝えといてっす〜。」
ラティエルとミストは部屋を出て、上へと向かっていった。
「うちはなんとなくで騎士団の訓練場の場所わかるんで、一緒に行くっすよ!」
「助かる、流石はミストだな!」
「えっへん!」
ミストは胸を張る。
「いよっ、王都ギルドの頭脳!」
「はっはっはー!」
リゲルはそんな様子を見て心の中で微笑ましいなと思うのであった。
「多分ここっすね。」
2人が立つ扉の中からは掛け声が聞こえていた。
「うん。掛け声も聞こえるし、多分ここっぽいな。」
「よし、入るっすよ。」
ギギギィ…。
重々しい音が鳴り、扉が開いた。
「ん?誰だ…って、ラティエル達じゃねえか!待たなきゃいけないんじゃなかったのかよ?」
2人を見て驚きながら喜ぶガレン。
「久しい…と言っていいのかわからんが。ラティエル。」
「久しぶりってことにしようぜ、ジーク!」
仏頂面でラティエルに話しかけたのは、厳格な騎士服に身を包んだ男、ジークだった。
「ミストの嬢ちゃん、そっちは何があったんだ?」
「『風の影』に襲撃されたっす。それをうちとラティエルさんで撃退したっすね。」
「なっ、お前らなにやらかしたんだ?それにしても『風の影』を返り討ちにしたのか。今更だけど、やっぱラティエルって滅茶苦茶強くないか?」
「まあ、今代の剣聖も、規格外って評してるっすからね。」
「はぁ!?……そういうことか。そういえば『雷速の剣聖』はエスフォートのギルド所属だったな。』
「そゆことっすー。」
「それで?ガレンさんたちはどうだったんすか?」
「ジークと情報交換をした。今の宮廷はどんな感じなのか。騎士団内の勢力はどんな物なのか。とかな。」
「ならよかったっす。」
そこに、ドアが開いた。
「ーージーク。何故ガレン様以外の平民が入っている?」
重々しく告げたのは、金髪の男。
「団長。彼らはガレン様の友人です。」
「ーーはぁ。貴様は騎士団がどんな場所かわかっていないようだな。風を愛し、風に愛されたものだけが、国のために真摯に働く者のみがここに入れる。そこの平民たちは、何かそういうことをしたのか?」
「団長。あなたがそれを言いますか?贈賄を受け、犯罪を黙認。あなたは国のために真摯に働いているのですか?
ーーそれに、先日、風の巨人出現事件が起こった際に解決に尽力してくれたのが彼らです。それでも文句が?」
「チッ、口の減らない若造だな?
ーーだが、この平民どもにそのような力があるとは思えんな。もし私に文句があるなら、貴様らの力を証明すると良い。」
「なんか偉そうなデブっすね。」
ミストが小声で言う。
「そこのエルフ、何か言ったか?」
「いやいや、何も言ってないっすよ。」
「まあいい、私に女を斬る趣味は無いのでな、そこの地味な黒髪の男。こちらの模擬戦場に来い。貴様の実力を確かめてやろう。」
そう悪どい笑みを浮かべながらラティエルに呼びかけたゲイル。両者がーー激突する。




