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33.黒装束の話

3月11日12時0分の更新をサボりました。

「まだやり直せる…か。」


ラティエルの言葉を噛み締めるように、受け止めた男。


「……どうだ?」


「ーー分かった。」


「なら、俺の質問に応えてほしい。」


「なんでも聞け。知っていることは答えよう。」


「助かる。じゃあ、あんたの名前は?」


「私の名前はアラン。異端者抹消集団『風の影』の戦闘部隊筆頭を務めている。」


「『風の影』?」


「ああ。風に反する者を消す組織。それが『風の影』だ。」


「じゃあ、さっき言ってた『フォルティス家』ってのはなんだ?」


「本当に『フォルティス家』ではないのか?」


「ああ。俺は平民だから。」


「ーー『フォルティス家』はその家の当主が不思議な力を持つことで有名だ。」

「例えば、『霊獣使い』ゲイン・フォルティス。歴史の英雄である彼は数多くの霊獣を従えた。」

「ーー他にも、『魔術殺し』ラインハルト・フォルティス。彼は、一度見た魔術は構造を理解することができる。

 という風に、『フォルティス家』の人間は特殊な力を持つ。」


「なるほど、けど、俺ではないな。」


「ふむーー。そうか、その眼、その魔力。貴様は『フォルティス家』だと思ったのだがな。」


「ああ、すまないな。ーーじゃあ、この国の騎士団について教えてくれ。」


「この国の騎士団は『風王騎士団』という名前だ。」


「かっこいい名前だな。」


「『風王刃』ゲイル・バトリアを団長に、『風聖騎士』ジーク・カラザを副団長にした、世界屈指の騎士団だ。」


「ゲイル?」


「ああ。世界でも5本の指に入る、騎士剣技の使い手だ。ジーク・カラザも奴には敵わんだろうな。

 ーーだが、その性格は腐っている。犯罪者を摘発しても、賄賂を貰い、無罪放免とする。」


「……。」


ラティエルは黙った。


「奴が犯罪者を見逃すことは、我々『風の影』の中でも知られている。」


「そんな奴が騎士団の団長でもいいのか?」


「良くはないだろう。女王陛下もそこは理解しておられる。だが奴には、その蛮行を見逃されるほどの圧倒的な力がある。ーーこの国で奴と渡り合えるのはガレン様ぐらいだろう。まあ、貴様もおそらく負けはせんだろう。」


「……俺?」


「ああ、そちらの女もだ。先ほどの戦いを見る限り、貴様らはS級冒険者の中でも上位に食い込める力を持っているように見えたがな。」


「それは率直に嬉しいな。」


「でも、アランさんも、結構腕利きっすよね?」


「私にはこれしかなかったからな。」


少し悲しげな表情で語るアラン。


「とはいえ、貴様が先ほど我々に放った魔術はなんだ?あんな風の魔術、見たことも聞いたこともないが。」


アランが怪訝そうな表情で問う。


「あれは、俺のユニークマジックだ。」


「ーーなるほど、合点が行った。貴様はユニークマジック使いだったのか。ならあの面妖な力にも頷ける。効果はどういう物なのだ?」


「効果は、空気を操るものだ。」


「空気だと?魔素の入れ物だったか?

 それを操る能力か。聞いた限り、そこまで強力な物ではなさそうだが…。」


「そんなことないぞ?結構便利だ。空気を固めて壁を作ったり、空気で武器を作ったりできるんだ。」


「ふむ?貴様のあれは召喚術ではないのか?」


「いや、違うな。イーグルも空気から生み出したんだ。」


「なるほど、その能力は貴様の想像力次第で化けるのか。」


「まあ、そういうことだ。」


「ふむ、なら続けようか。どんどん質問してくれ。」

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