31.再度王城へ
「よし、俺らは今から王城へ向かう。ライムたちもすぐ向かってくれ。」
「了解したよ。」
ガレンが家の扉を開ける。
「行くぞ。」
「それじゃあ、また後でね。」
「ああ、ギルマスも気をつけて」
ラティエル達は王城へ向かった。
「ガレン様。城へ何か御用でしょうか?」
城の門の前に立つ衛兵が聞いた。
「おお、ヘルスか。マインは元気か?」
「ええ、あいつは元気です。」
「陛下に謁見したい。急で申し訳ないんだが、繋いでもらえるか?」
「わかりました。『風音』。応答せよ。こちらクラウゼル城門前。」
ヘルスは魔術を唱え、翠玉を生み出し、それに向かって話しかけた。
「ええ、そうです。……ガレン様が女王陛下に謁見したいとおっしゃっています。ーーはい。かしこまりました。それではそう伝えます。」
通信を終えたヘルスはこちらを向いた。
「陛下はただいま公務なので城の中でお待ちくださいとのことです。」
「そうか、悪いな。急になっちまってよ。」
「いえ。」
「今度マインも連れてきて一緒に飲もうぜ。」
「はい。」
「ありがとよ。」
3人はこうして、城の中へ入った。
「ジークは騎士団のところにいる。俺もついていくぜ。」
「ああ。」
歩いていた執事が、ガレン達に呼びかけた。
「すみません。ガレン様、こちらへ案内いたします。」
「ん?いやぁ、騎士団の方へ行こうと思ったんだがな。」
「それでは、ガレン様はそちらへお向かいください。ガレン様のお連れ様にも、客室を用意しておりますので。」
ラティエルとガレンは通信を始めた。
(どうするんだ、ガレン。)
(どうもこうも…、ーー仕方ねえ。予定変更、ラティエルとミストはこいつについていってくれ。)
(いいのか?)
(ああ。女王サマも公務らしいしな。俺がジークのとこに行ってくる。)
(わかった、頼んだ。)
(ああ、そっちも警戒を怠んなよ?)
通信が終わり、ラティエルが口を開く。
「構わないぞ。」
「そうですか、感謝します。それではこちらへ。」
ラティエルたちは執事について行った。
「執事さん、道…あってるのか?どんどん降りていっているが。」
「ええ、客人をもてなすのに最適な部屋があるのです。少々お待ちを。」
(ちょっとおかしいっすね。最適な部屋なら目立つとこにあるはずっす。そういえば、書庫にあった王城の見取り図。確か地下には…)
ミストが思考しているうちに、目的地についた。
「こちらでございます。」
そこには仰々しい扉。
「どうぞ。」
ーーギギギィ。
執事が扉を開けた。
「ーーラティエルさんっ!後ろっす!」
「っ!『空気』『壁となれ』!」
執事が短剣を構え、ラティエルの首に刺そうとしていた。
「執事…じゃなかったわけか。」
「道理でおかしいと思ったんすよ。」
「今のではやれないか。流石は冒険者の国とも呼ばれるエスフォート王国の冒険者だな。」
執事服を脱ぎ、黒装束となった男。
「貴様も悠長に構えている場合ではないぞ。」
ミストの後ろにも黒装束が着地した。
「2対2っすか。」
「いいや?5対2だ。」
ラティエルたちは黒装束に囲まれていた。




