表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

93/101

29.撤退とその後

ジークが下した苦渋の決断をガレンは飲んだ。


「俺はフレミアを探す。」


「私の小隊も手伝わせよう。」


「助かる。騎士団はお前らだけか?」


「今、上層部が事後処理に励んでいる。じきに負傷者を運ぶ小隊がやってくるだろう。」


「なら、行くぞ。」


ガレンは、ジークに渡された魔力回復薬を飲み、フレミアが吹き飛ばされた方向へ、風の魔術で飛んでいった。


「総員!我々、第一小隊は、巨人の攻撃を受けた者たちの捜索へ回る。私について来い!」


「はっ!」


ジークが率いる騎士たちも、走り始めた。


「フレミア、どこに吹き飛ばされちまったんだ。」


ガレンは不安でいっぱいだった。


「あの強さ、あの距離。死んじまった可能性もある…。けど俺は諦めねぇ。必ず探し出すぞ。」


ガレンは魔力が少なくなった体に鞭打ち、必死にフレミアを探した。


「フレミアァ!いるか!」


ガレンが叫んでいる周りで、騎士たちも走り回る。


そこから、時間が経った。


「ガレン殿…。今日のところは諦めるしかない。もう私の持つ魔力回復薬はない。

 ーーそれに、今日中に探さなければいけないわけではないだろう…。」


「フレミアは依頼で大怪我を負ってそこからまだ完治してねぇんだよ。」


「それでも…だ。

 ーー先程、上層部から、国から通達があった。ガレン殿を1級に認定し、この国の英雄とすると。」


ジークは淡々と告げた。


「おい、本気で言ってんのか。お前!」


ガレンはジークの胸ぐらを掴んだ。


「俺はあいつとの誓いを守れなかった。俺は2年前に、あいつをもう離さないと誓った。

 ーー俺は、好きな女1人も守れねえ、弱い人間なんだ…!」


「ーーそんな俺に、褒章を受け取る資格なんてねぇ!お前もわかってるだろう!」


「私だってわかっているさ…!我々は救えなかった。目の前の小さな命も!だからこそなんだ。

 ーーこの国の現状を知っている私たちが力を持つことで、フレミア殿のような犠牲者を減らせるんだ!」


ガレンは涙を溢した。


「俺の、大切な人なんだよ。あいつはぁ…。」


ガレンは泣きじゃくり、意識を失った。


ジークも隣にあった壁を殴り、拳から血を流した。


「隊長!おやめください。」


それを見た騎士が止めにかかる。


「私のことはいい。それよりも彼に治療を。私は王城に向かい、至急フレミア殿の捜索願いを出す。」


「はっ!総員、ガレン様を治療室へ運べ!迅速にだ!」


騎士が号令をかけ、ガレンは担架に乗せられた。


ジークは無言で馬に乗り、王城へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
https://kakuyomu.jp/works/16818792439445915118 カクヨムの方でも活動中です!もしよければこのリンクをタップしてフォローを押していただけないでしょうか⁉︎
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ