27.出現
2人は屋台を回っていた。
「そろそろ祭りも終わりか。」
「うん。そうだね。」
フレミアが一拍置いて口を開く。
「ガレンくん。私、ガレンくんに言いたいことが…」
その瞬間。広場に突如“翠色の巨人“が現れた。
「なっ、いつの間に。チッ、フレミア、さがっとけ!」
ガレンは巨人を捕捉し、戦う準備を始める。
「騎士団第1小隊整列!総員!ここは突破させるな!」
騎士服の男が騎士を複数人引き連れて叫ぶ。
「騎士か、助かるぜ。」
「ガレン殿だな?助力を願えるか。」
「任せろ。あんたは…」
「私はジーク。行くぞ。」
「おう!『風音響く空想郷』。」
「騎士剣技。『瞬斬』!」
ガレンの生み出しだ翠槍と、ジークの剣が巨人たちを斬り裂く。
「状況は劣勢。2人と騎士さんたちだけじゃ、いずれ崩れる。
ーー私が、やるしかない。」
フレミアが詠唱を始めた。
そこに、ひと回り大きい巨人が巨人を数十体連れてやってきた。
「あれは、あの時の。やるしかない。私の道に答えを。『緋理演算』!」
フレミアが統べし緋色の盤に数字が浮かんだ。
しかし。
“もうそれに用はない。“
巨人の目の前に、翠色の盤が現れた。
「あれは、私の?いや、もっと無機質な“なにか“。」
「デカブツゥ!性懲りも無く現れやがって!今度こそ潰す!『風の嘶き』!」
ガレンが速度を上げた。
「ジーク!合わせろ!」
「ああ。」
「『星断風』!」
「騎士剣技。『翠断斬』!」
2人の最高火力が合わさり、10体以上の巨人を葬った。
「でも、まだ足りない。そうだよね?フォーミュラ。」
『肯定します。主人』
改めて説明しよう。フレミアの魔術『緋理演算』は、術者の視界から状況を判断し、その打破策となる魔術効果を打ち出すのだが、それだけではない。魔力意志が備わっており、現状の最適解を術者とともに出す。
「フォーミュラの見解だと、後何分後ぐらいに崩れる?」
『早くて3分。遅くて7分です。』
「それまでに解析を済ませれる?」
『肯定です。』
「よしっ、行くよ!『演算開始』。」
緋色の盤に数字が浮かぶスピードが上がる。
“演算速度を上げたか。だが、言っただろう。それに用はない、と。“
突如、数字が止まった。
「演算が止まった!?命令は出してない。フォーミュラ!」
『主人の命令より、演算を停止します。』
「主人…?ーーまさか!」
フレミアが巨人を見る。巨人の盤もすでに停止していた。
「私の演算盤を乗っ取った!?」
“感謝する。愚かな人間。これで、また一歩近づける。“
フレミアの方に、大きい風が飛んできた。
「きゃっ」
ガレンが、風の動きに気付き、フレミアに手を伸ばした。
「フレミアァ!」
(2度と離さない!そう俺は誓ったんだ!)
ガレンの思いも虚しく。フレミアは、吹き飛ばされた。




