24.迷宮での激闘
「速さ勝負と行こうじゃねえの!デカブツゥ!」
ガレンは巨人に肉薄した。
「ガレンくん…。死なないでね!」
「お前もな!」
フレミアが演算を開始した。4体の巨人はガレンを圧し潰そうとするが、もう1体の巨人は佇んでいた。
否、フレミアを見つめていた。
「もう1体の巨人。あれは異質だね。特殊な個体かな?あれも演算しなきゃ。」
演算の速度が早まる。
そうしている間も、ガレンは巨人に突撃していた。
「おいおい、随分とノロマだなぁ!ギア上げてこうぜ!『最速の風撃』!」
ギオオン…。
少し動きが控えめになる巨人。
「その見た目にしては臆病ですってか!?笑わせてくれるじゃねえか!」
(チッ、俺の攻撃があんま通ってねぇな。あの奥のやつは…。フレミアを見てる?フレミアが狙われてんのか?そうはさせねえ。ーーちょっかいかけるか。)
そう考えたガレンは、奥の巨人へと狙いを変えた。
「よぉ、余裕綽々か?悪ぃが邪魔するぜ?」
その狙いに気づいた4体の巨人が奥の巨人の方へと体の向きを変える。
「ガレンっ!下がって!『緋掌』!」
ガレンの体が緋色の巨大な手に掴まれる。
「っ、フレミア!」
演算を中断したフレミアに、巨人の魔の手が襲いかかった。
「えっ…、きゃあ!」
フレミアが悲鳴を上げる。
「チィッ!『飛翔』!」
ガレンは手を振り払い、飛行し、フレミアを助けに向かった。
(間に合え、間に合え!間に合えぇ!)
「フレミアァ!」
フレミアに近づき、手を伸ばす。
「ガレッ」
しかし、その手は届かず、フレミアは巨人に吹き飛ばされた。
「フレミアァッ!
死ね。『星穿つ風』ぇ!」
ガレンの詠唱により、巨人らが瓦解した。
「フレミア!生きてるか!」
ガレンはフレミアの元へ駆け寄った。
「な、なん…とか。」
フレミアは頭から血を流しながら答えた。
「チィッ、傷は深い…か。巨人は後1体…か。」
ガレンは考え込んだ。
(苦戦したが1匹ならなんとか…。いや、あれは不気味だ。戦いに行って返り討ちになったら俺もフレミアも死ぬ。この迷宮に異常が起こっていることを知らせれなくなる。だが、ただの巨人なら…?考えろ。この場における、最善の択を!)
「ーーフレミア、撤退するぞ。」
「ガレンくん、それはっ…。」
「フレミアが言ったことだ。死んだらどうする。この場で最悪なのは、俺たち両方が死ぬことだ。
風の巨人が群れるなんて聞いたことねえ。俺たちのするべきことはこの情報をギルドに持ち帰ることだ。」
「でもっ。」
「うっせぇ、早く行くぞ!」
ガレンはフレミアを抱き、後ずさった。
「あばよ、デカブツ。次会った時はお前を潰す。」
“貴様らの魔術は…見たぞ。“
巨人がそう呟いたように、ガレンには聞こえた。
「本当に奇妙なやつだ。」
2人は迷宮から脱出した。




