6.リンチだヤッホー!(逆)
無双回です。新冒険者キャラが登場⁉︎
フローリアの性別変えました。女性から男性になりました。
「ようこそ、新人。」
「ん?こんな殺伐とした場所で歓迎会をするのか?」
「ああそうだぜ。ここで歓迎会をするんだ。」
「ひゃっほーー!」
「久しぶりだな!」
「あんな弱そうな新人久しぶりだったからな!」
「さあ、歓迎会の相手は、C級冒険者パーティ『飢餓の灰狼』だ!」
「待ってましたー!」
「真ん中がカマセーヌ。左がザコモーノ。右がモブリンだ!」
「やっちまえー!」
うわー、歓迎されてるなー。嬉しいぜ。
当の本人は気づいていない。むしろリンチしようとしていることに。
「本気でこいよ」
もしこの言葉をミストが聞いていたらこう言っただろう。『あんたやめとくっすよ。』と。
「よし、わかった!本気で行くぞ!」
この場にツッコミがいないため、ボケ(無自覚)とボケ(雑魚)が暴走して、ボケ(雑魚)が破滅するのである。
「『空気』。」
ラティエルはイメージする。かつて、勇者と一緒に数多の敵を切り裂いた神剣を。
『空剣グラディアス』
「おい、何もないところから出したぞ。」
「アイテムボックス持ちか?」
「へっ、新人、お前にはそんな高価な剣もったいねえよ!」
そう言って、魔術師のザコモーノが、中級魔術を放つ。
「流せ、顕現せ、飲み込め、『水之竜巻』」
強烈な水流がラティエルを襲った。否、襲おうとした。
「『空気』!」
固まれ!
ラティエルがイメージした空気の壁は、ミストの放つ風上級魔術をも防ぐ。『天風』の称号を持ち、風魔術にバフがかかっているミストの魔術でも。
ザコモーノの魔術が勢いを失い、消えてなくなる。
「なっ、結界持ちか⁉︎」
「なら剣で攻撃すればいいだろ!」
「『空気』!」
ラティエルはイメージする。かつて勇者を支えた縁の下の力持ち。天から『不死身』の称号と『絶対防御』のスキルを下賜された英雄。その男の使った伝説の盾。
『空盾イージス』
「おい、またかよ。」
「とりあえず行くぞ!」
そういい、カマセーヌが走り出す。
「くらえ!『回転斬り』」
カマセーヌが回転しながら剣を振るう。
カキン!
イージスで、剣を弾く。
「おい、モブリン!」
「わかってる!『身体強化』」
「よし、これで戦ってやるぜ!」
「本気で行くぞ。」
「来い!」
「空剣技『飛剣』。知ってるか?斬撃って飛ぶんだぜ?」
奇しくもラティエルは、勇者と同じ技を、同じ口調で同じ言葉を放った。
「おっと、それは危ないね。『泡沫』。」
「誰だ?」
空剣技は、そう簡単に防がれていいものではないのだ。勇者が、魔王軍幹部を倒した時に使っていた技なのだから。
「僕はフローリア。『泡沫のフローリア』だよ。」
「誰?」
ズコッ!
その場にいたほとんどの冒険者がこけた。
「ははっ、きみ、面白いね。」
面白くて仕方がないというふうに、フローリアが笑う。紋章が発現した最強の冒険者の一角は、普通の男性のように、心の底から笑った。
「おい、『泡沫のフローリア』があんなに笑ってるとこ見たことあるか?」
「ねえな。」
「珍しいな。」
「ちょっとあんたたち!何やってるんすか!終わりっすよ!」
「『天風』だ!」
「本物だぞ。」
「すげえな。」
「あれ?ミスト、どうしたんだ?外で待ってるんじゃなかったけ?」
「あんたのストッパーが必要になるんすから、当たり前っすよ。」
「そうか、ありがとう?」
「そうそう、お礼を言うっすよ。」
「こここうしたらいいよ」などの優しいコメントがあれば幸いです。ダメ出しよろしくお願いいたします。