10.王城へ
バレンタインですね。こんな日でも僕は意味がわからないぐらい暇です。
「おぉー!ガレン様が討伐なさったぞ!」
ラティエルたちは歓声に包まれていた。
「危なかったな、ガレン。」
「そうか?まぁ、俺の場合若干あの魔術はオーバーキルにしか思えないが…、結果オーライだ。」
そういって見てる方向に親指を指す。
「見ろよ、向こうから来てくれたぜ。俺の魔術のおかげだな。
さすが俺!」
「自画自賛…。きしょいっすね。」
「おい、ミストの嬢ちゃん!酷すぎるぜ。」
「『翠槍の英雄』ガレン様ですね。そのお隣の方も。今回のこの事件の解決へのご尽力。
ーー誠に、ありがとうございました。」
その場にいた数十人の騎士がお辞儀をした。
「ああ、誰も怪我人はいねぇのか?」
「はっ。怪我人は1人もおりませぬ。」
「ならよかった。俺も1人で奴らの相手はきつかった。こっから王城か?」
「はっ、もしお連れ様の予定も宜しければ。」
「ミスト。」
「はいっす。」
2人は目線で喜び合う。
「大丈夫だ。」
「そちらの女性もですね?」
「はいっす。」
「それではご案内します。近いので、徒歩でも宜しいですか?」
「ああ。早く行こうぜ。」
「はっ。それでは行くぞ!」
そう言って、彼らは歩き出した。
「なっ?俺のおかげだろ?ちったあ褒めてくれよ。」
「はいはい。すごいっすねー」
「チクショー!」
「ははっ、でもすごかったじゃないか。」
「やっぱラティエルは優しいなぁ、どこかのエルフさんと違って。」
「あぁん?」
「すいませーん!!!」
そんな軽口を叩き合う3人は幸せに見えた。
そして、一行は王城に着いた。
「着いたぜ。ここが我らが神聖クラウゼル皇国が誇る、クラウゼル城だ。」
高く聳え立つ城壁。どこか翠を携えたその壁は堅固だった。
「すごいな。」
ラティエルは圧倒されていた。しかし、見上げた城の天辺にある剣の紋章が刻まれし旗。その旗は動いていなかった。
「相変わらず動かねえよ。ここの旗は。」
ガレンがしみじみと呟く。
「皆様。ついてきてください。」
そう騎士がラティエル達に言い、ついていった。
「こちらが王の間です。準備はできていますか?」
騎士が問う。
「ーーああ。」
ラティエルが息を呑み、答える。
門が開いた。
ギギギギィ。
「女王陛下!『翠槍の英雄』ガレン様をお連れしました!」
ラティエル達は中央まで進んだ。その間は、翠を基調に、豪華な絨毯や、装飾で飾られていた。
「面をあげよ。」
声が響く。
「ーーエスフォート王国からの客人だな。私の名前は、リンダ・クラウゼル。この国の王だ。」
見上げた先にいたのは美しい女性。
「ガレン。此度の報告を。」
「はっ。横の2人は私めの知人でして。彼らと街の広場で会い、談笑をしていたところ、『風の巨人』が3体現れました。その場で交戦。2人も強い力を持つため、各個撃破したという形でございます。」
ガレンが今回の一連の出来事を報告する。
「そうか。客人に、そのような荒事を任せてしまったのは、我々の責任だ。すまぬな。
唐突な魔物の出現…か。やはりこの国には異変が起こっているな。早急に対策を立てるぞ。
ああ、3人とも、今回は本当に礼を言う。褒賞として金をよこそう。何か他に希望は?」
ラティエルが考え込む。
不意に、止まった旗を思い出した。
「……この国について知りたい。書庫を見せてもらえるか?」
「貴様ァ!女王様になんたる口の聞き方!」
リンダの隣にいた老人が、怒る。
「良い。やめろ宰相。彼らは英雄の友人だぞ。
相わかった。書庫へは後ほどそこの騎士に案内させよう。」
「ああ、ありがとう。リンダ様。」
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