5.登録
噛ませ犬はどの作品にも大体入るものです。
「ラティエルさん、朗報っすよ!後5時間ぐらいで王都に着くっす。」
「ん?なんでなんだ?」
「それはっすねー、道中にあるダンジョンのせいで、最低でも2日はかかるはずだったんっすけど、ダンジョンが消えたらしいっすよ。」
「へー、なんで消えたんだろうな。」
「そうっすね、魔王が出現したか、勇者が出現したか、それか両方っすかね?」
「なるほどなあ」
「それじゃあ、スピードアップするっすよ。」
5時間後…
「すげーーー!でっけー!なんだこれ?」
「これが王都の城壁。この国が城壁王国って言われているのはこれがあるからなんっすよね〜。」
「これは攻められても負けないな。」
「そうっすね、それがこの国の強いところっす。」
「ギルドはどこ?」
「中っすよ。」
「何者だ?住民票を見せろ。」
「はぁ、これでいいっすか?」
と、ミストが金色の札を差し出す。
「なっ、申し訳ありません。『天風』ミスト様でしたか。どうぞ、お通りください。」
「ありがとうっす。ちなみに後ろの人はウチの連れで、ウチより強いっすよ。」
「なっ、S級冒険者よりも⁉︎失礼いたしました。お連れの方もお通りください。」
「あれ何?」
「あの人は衛兵っすよ。多分新人っすね。有名な冒険者は衛兵に顔が利くんす。なんで、あの人はウチを知らなかったんで、新人っす。ああいう検査みたいなんがいつもあるので、聞かれたら冒険者カードを見せるといいっす。ラティエルさんなら、すぐにA級とか行くんじゃないっすかね?」
「S級はすぐにはいけないのか?」
「王家からの指名依頼を成功させる必要があるっす。どれも一級品の依頼っすから、それを受けないためにA級にいる人はいるっすよ。」
「なるほどなあ。」
「はい、着いたっすよ。ウチは外で待ってるっす。」
「おう、ありがとな。」
「そんなもん簡単にいうんじゃないっすよ!」
「ん?わかんねえなあ」
「ようこそ、王都ギルドへ。依頼ですか?登録ですか?」
「冒険者登録をしたいんだけど。」
「かしこまりました。ではこちらの水晶に手を乗せていただけますか?」
「なんでなんだ?」
「ステータスが表示されますので。」
「わかった。」
名前 ラティエル
種族 人間
属性適正 風
魔術適正 空気(YM)
性 男
Lv 7
HP45
STR C
VIT C
AGI C
INT A
DEX B
MND B
「ユニークマジック使いなのですね。」
小声で受付嬢が言う。
「そうだ。」
「かしこまりました。では、これがあなたのギルドカードです。」
そう言って、受付嬢が、銅色のカードを渡す。
「ありがとう。」
「私は受付嬢のリヴィウスといいます。また来てくださいね。」
そう言ってリヴィウスは微笑んだ。
「よろしく、リヴィウスさん。」
ラティエルがそう言って依頼板を見ようとすると
「おい、先輩に挨拶はねえのか?」
「え?」
「俺の名前はカマセーヌ。このギルドのC級冒険者だ。このギルドは年功序列。だからいつも、新人の歓迎会を開いてるんだ。」
凶悪そうな顔をした男がそう言う。
「本当ですか?ありがとうございます!」
「おう、みんな、歓迎会の時間だぞ!」
「よっしゃー!」
「やっとかよ」
「待ってましたー!」
「またですか。」
リヴィウスは呆れたようにそう言い、口を開いた。
「ラティエルさん、怪我をしても私が治しますが、気をつけてくださいね。」
「?はい、わかりました。」
未だに状況がよくわかっていないラティエルは、首を傾げながらそう言った。」
その頃ミストは。
「あ、そういえば、歓迎会があったっすね。どうせまたカマセーヌだろうけど、これはラティエルさんのストッパーが必要っすね。はあ、仕方がないっす。」
そう言って、ミストはギルドに足を踏み入れた。
「あっ!ミストさん!」
「おい、あれ『天風』じゃねえか?」
「ほんとだ。」
「あれが本物か」
「ただいま戻りましたっす。今すぐ歓迎会会場に案内してくださいっす。」
「なぜですか?」
「ちなみにラティエルさんウチより強いっすから、カマセーヌ、死ぬっすよ。」
真剣な顔でミストがそう言う。
「ミストさんより⁉︎わかりました。今すぐ行きましょう。」
「こここうしたらいいよ」などの優しいコメントがあれば幸いです。ダメ出しよろしくお願いいたします。