15.龍との対話。
今日の昼に第4章14話を更新していますので、まだそちらを読んでいない方はそちらを。
『がっ。』
ミストの一撃がノワールを貫いた。
「ノワール。お前が見ているものが何か。自覚できたか?」
『ははっ。ああ、貴様に言われて気づいたのは癪だが、気づくことができたよ。ラティエル。貴様は優しすぎる。我は貴様の道を阻もうとしたんだぞ。』
「それでも、無情に殺すのは違う気がした。意思もなく、ただ人間を殺そうとする魔物じゃないだろ。お前は。話せる、そう思ったから。」
ラティエルは悲しげな表情でノワールに話しかける。
『ははっ。聞いてくれるか?』
「ああ。」
そして、一匹の孤独な黒龍は話し始めた。
『あれはまだ我があの馬鹿と会う前の話だ。』
『おい!ノワール!』
『なんだ?』
一匹の大きな龍が小さなノワールに話しかける。
『龍の里から出ていけ!お前のような、幼体なのにそこまでの力を持つ忌み子はいらん!』
『なんでおまえにきめられなきゃいけない!これはぼくのもんだいだ!』
ノワールは幼い頃から強大な力を持つため、龍の里のみんなに恐れられていました。唯一話を聞いてくれたのは、魔物というカテゴリーから逸脱した最強の龍にして、龍の里の長。『神龍ティアマト』だけだった。
『ちょうろうもぼくをとおざける?』
『確かにお前は強い力を持っている。でも、力とはその使い方次第なんだ。お前がその力をどう使うかはお前次第だよ。』
その言葉はずっとノワールの心に残り続けた。
それから、100年が経った。ノワールは成長し、里を飛び出した。
『僕は旅に出るよ。長老、いい生き方を見つけてくる。』
そう決心して飛び出した矢先にあったのは、初めて見る小さな生物。人間だった。
「ヒ!ヒエェー!龍だ!本物⁉︎かっこいいなぁ!これが龍か!」
『君は僕を怖がらないのかい?』
「えっ!しゃべった?すごい!喋れるんだね!」
『変なやつ…。』
「君!名前とかあるの?君って呼びづらいじゃないか!」
『僕の名前はノワール。』
「ノワールか!いい名前だね!」
『そ、そう?』
「うん!めっちゃいい!」
そう親指を立てながら微笑む少年。
『君の名前は?』
「ん?俺?俺の名前はドラグレイヴ!よろしくな、ノワール!」
『ドラグレイヴ。いい名前だね!』
それが、遠くない未来、ノワールを討伐する、『龍滅剣ドラグレイヴ』の使い手、ドラグレイヴとノワールの出会いだった。




