12.いざ、ダンジョンへ
『ダンジョンアタック、開始すんぞ』
こうして、ラティエル達はダンジョンへと足を踏み入れた。
「ここは何下層あるんだ?」
『30階層まである。』
「了解だ。『空気顕現』『偶像召喚 王狼スコル』。」
ラティエルの詠唱により、一匹の巨大な狼がラティエルの隣に現れた。偶像召喚。それはスタンピード後にラティエルがライムと共に身に付けた新しい空気の技術であり、御伽話に伝わる神獣を召喚するという力である。
『王狼か。王の資格を持つ狼。良いもん持ってんじゃねえか。』
『ルクス、ワシらも戦闘準備を。』
『わぁってるよ、ジジイ。『万照』。』
ルクスの詠唱により、この場にいる人間全員が照らされた。
「これは、支援っすか?」
『ああ。この支援を受けた人間の膂力、魔力を底上げする。』
『『大地の槌』。』
フムスが詠唱したその時、フムスの目の前に土色のハンマーが生み出された。
「立派な武器っすね。」
『おい、お前ェら、そろそろくんぞ。』
ルクスがそう言った瞬間、数匹のトカゲが現れた。
「あれは…ダンジョンリザードっすか…」
『ああ。闇の魔力を纏って通常よりパワーアップしているぞ。気ぃ付けろ。』
「スコル。『敵を倒せ』。」
ラティエルの号令により、スコルがリザードに向かって突進し、噛み付く。
「『蒼帝剣ラピス』。『蒼斬』。」
ルクストの戦いからさらに研ぎ澄まされたライムの斬撃は容易くリザードを切り裂いた。
「うちの魔術をプレゼントするっすよ!『大いなる風』」
ミストの放った魔力密度の高い風がリザードを切り裂いていく。
『へェ。やるじゃねえか、お前ェら。』
ルクスが称賛する。
「まっ、うちらにかかれば余裕っすね!ね、ラティエルさん。」
「ああ、この程度ならまだ問題ないぞ。」
『ふはは、頼もしいの。』
「よし、じゃあ進もうか。リヴィウス、索敵を頼めるかな?」
『リヴィウス、索敵すんぞ。』
「はい!『光よ(ルクス)』『この先を視よ』」
『『霊視』』
『ルクスはガサツな見た目をしているが、実はあの見た目で補助魔術の方が得意なんじゃよ。』
「ほへー、意外っすね!」
『魔術も繊細でのう。リゲルも繊細さでは負けておらんがの。』
「なるほど、うちも魔術繊細に扱ってるつもりっすけど、まだまだっすね。」
『いや、ミスト殿も十分繊細じゃよ。精霊と人間では魔術の感覚は違うからのう。その話で言うと、リヴィウス殿の魔術は、精霊の魔術に似ている。』
「なるほど?それはなんでっすか?」
『リヴィウス殿の魔術は精霊の力を借りることで行使する魔術じゃ。精霊の魔術を人間が使えるようにした、詠唱が短くても強力になるようにできている。まあ、扱い方は難しいが、その点、リヴィウス殿は上手くあの魔術を手懐けておる。』
「ふーん、難しそうっすね。」
『オィ!駄弁ってないで早く来い!階段見つけたぞ!』
「了解っす!」
こうして一行は次の階層へと足を進めた。
ミストの魔法名を書いてて、スマ◯ラSPの某魔法使いくんを連想してしまったのはここだけの秘密。




