番外編『クリスマス』
この話は、ラティエルたちが精霊界へ向かう前の話です。(リゲル契約後)
『メリークリスマス!!』
大きくて、飾りのついたもみの木を背景に、ラティエル、ミスト、ライム、リヴィウス、リゲル、アルノードが乾杯をする。全員、伝承に伝わるサンタクロースを模した衣装を着ている。
「プハーッ!」
「うんうん、飲み物が美味しいね。」
ごくごくっとエールを飲むラティエル。その横で、満面の笑みでラティエルを見るアルノード。
「いや、何普通のように混ざってるんすか?」
突っ込むミスト。
「え?ミストくんは僕がいるのは嫌かい?」
少し涙目で問うアルノード。
「いや、ウチはいいっすけど、お城での仕事とかは大丈夫なんっすか?」
「…。今夜は無礼講だ!みんな、飲もう飲もう!」
「誤魔化した…。」
呆れた目でミストが見る。
「知ってるかい?リヴィウス。クリスマスというのは大昔にいた神子の誕生日を祝うものらしいよ。」
「何かの文献で見た覚えがありますね。確か名は…」
『フィエルだぜ。』
「そう、フィエル。彼は神の子として魔の者を討ち滅ぼしていたことで有名だ。」
『あいつは強かったぜ、あたしはあんま仲良くなかったけどな。』
太古の時代を懐かしむリゲル。
「それにしてもこのおっきい木は誰が用意したんだ?」
「うちが魔術で生やして、飾りはリゲルとリヴィウスで買ってきたっす。女子組の勝利っすね!」
ドヤ顔のミスト。
「くっ。負けた…。」
手をつき俯くラティエル。
それを見てくつくつと笑うアルノード。
「騒がしいねぇ。でも最高の聖なる夜だね。」
リヴィウスとライムが一緒に本を読み、ラティエルとリヴィウスとリゲルがボードゲームをしている。
「おいおい、僕も入れてくれよ。みんなでしようか!」
アルノード、リヴィウス、ライムが乱入し、みんなで楽しく笑う。
(この日々がずっと続けばなぁ。)
幸せを噛み締めながら、心の底から強く思うラティエルだったのだ。
ミストのサンタ姿かわえぇだろうなぁ。リヴィウスも、リゲルも。可愛い女の子…。むなしっ。




