10.恩人との再会
『ニンゲンダ』
『ニンゲンダ!』
小人がラティエル達を見て騒ぎ立てる。
「あれは…?」
『ああ、あの子達は小精霊…とても小さく、あまり強い力を持っていない精霊達のことですよ。』
「なるほど。」
『うふふ、それにしてもラティエル様は精霊に愛されてらっしゃいますね。かごを頂いているエルフ王族の方々でもないのにこの好かれよう。もしかしたら、イゾルデ様の愛し子かもしれませんね。』
「愛し子?なんだそれは?」
『愛し子とはその名の通りイゾルテ様の寵愛を受ける人間の事を指します。愛し子は精霊にひどく懐かれたり、契約する時に精霊の力を上げることもできるのですよ。』
「なるほど。説明ありがとう。」
そういった風に話をしていると、青色の魔力光が集まってきた。
『アリア様、ご帰還なされましたか。イゾルテ様のご容体が悪化しております。『癒歌』を。』
そう言いながらアリアにひざまづくのは、青色の目に髪をした男。
『わかりました。ラティエル様、皆様を読んできてもらえますか?』
「ああ、分かった。」
そうしてラティエルが皆を呼んできた。
『なんだァ?』
『イゾルテ様の容態が悪化しました。今すぐ治療に向かいますのでついてきて下さい。』
そうして一行は移動を始めた。
『あなた様が、今回の試練の合格者ですか。僕の名前はアクア。水の大精霊です。以後お見知り置きを。アリア様の部下をやっております。』
「アクアさん、よろしく。」
『よろしくお願いいたします。』
そうこう話しているうちに宮殿に着く。
駆けるアリア
『イゾルテ様!』
『おお、アリアか。すまないのじゃ。』
ベッドに横たわりながら布団を被る女性。
『いえ、お気になさらず、イゾルテ様。かけますからじっとして下さい。『癒歌』。』
イゾルテを淡い青い光が包み込む。
『ふぅ、いつもすまぬな、アリア。』
『いえ、王よ。いつでも言ってくださいね。』
『ところで、そこの女子。懐かしい気配じゃ。あれは、10数年前かのう。名は確か…。』
「リヴィウスです、イゾルテ様。」
『すまぬな、わしはもう歳でな、人の名前を覚えるのも出来ぬ体になってしまったのじゃ。それにしても良かった。また再び御主を見ることができるとは。権能が御主に渡っていたおかげで御主が生きていることは分かっていた。だがその力は強大じゃ。御主に我の権能を渡した結果御主が悪用されていないか心配でのう。今、幸せか?』
イゾルテは優しげな顔でリヴィウスに問いかけた。
「はい。幸せです、とっても!」
リヴィウスは満面の笑みでそれに応えた。彼女の綺麗な瞳には光るものがあった。
『そうか、それなら良かった。精霊王冥利に尽きるものじゃて。』
強大な力を授けただけでは人は救えない。人を助けようという心があっても、力がなければ救えない。両方を持っているものが人を救うことができるのだ。
前話、今話に続き、リヴィウス回となっていましたが、次から本格的に精霊界でラティエルが大暴れします。




