3.模擬戦
戦闘回です。
「いいっすか。」
「ああ。」
「この世界は、2つの大陸が存在することは知ってるっすね?」
「ああ。」
グラン大陸と、エルーガ大陸である。
「大陸には、国が幾つか存在するっす。その中でも大きいのが、ウチらのいるトートレイトっす。」
「なるほど。」
「そして、ウチらが今向かってるのは、王都のギルドっす。ウチが所属してるのはそこっすね。」
「なるほど。あ、そういえばお前なんていう名前なの?」
「はあ?今っすか?まあいいっす。ウチは、ミストっていうっすよ。ていうかアンタ、人に名前聞くんなら自分の名前を名乗るっすよ!」
「ああ、すまん。俺の名前はラティエル。よろしくな。」
「へえ、ラティエルさんっすか。いい名前っすねえ。」
「そうか?ありがとう。」
「んで、話を続けるっすよ。」
「ちょっと待ってくれ、王都のギルドにもミストみたいな高ランクの冒険者はいるのか?」
「王都は冒険者の戦力が集まる街っすからね。S級冒険者はもちろん、S級冒険者パーティも多くいるっすよ。」
なるほど、王都はいろんな人がいるんだな。
「ラティエルさん、人前であんまりユニークマジックは使わない方がいいっす。」
「そうなのか?」
「ユニークマジックは珍しいのは知ってるっすね?」
「ああ。その魔術を使える人間以外は使えない魔術のことだろう?」
「そうっす。無知なラティエルさんでもそれぐらいは知ってたっすか。」
「あ?」
「いやいや、ウチはほんとのこと言ってるだけっすよ〜。」
「おいミスト、喧嘩売ってんのかあ?」
「一回模擬戦してみてもいいっすね。」
「じゃあやるか。」
流石に冗談だったのか、すぐに和気藹々とした雰囲気になる。
「それじゃあ始めるっすよ。」
「ああ、いつでも。」
まずは様子見。空気で守りながらだな。
「始め!」
「風よ、吹き荒れろ。『旋風龍波』」
鋭い風が吹き荒れる。
「なっ!『エア』」
空気で自分の周りを固める。
「は、はあ?なんでウチの魔力で放った上位魔法を防ぎ切れるんっすかねえ?ずるいっすよ!」
「そっちだって初っ端から上位魔法撃ってくんじゃねえよ!」
「ならまたやるっすよ。万物を刻み尽くす風よ。顕現せよ。吹き荒れろ。我が敵に我の存在を刻め『天風神槍』
濃密な暴風の集合体が槍となり、具現化する。
「『エア』顕現しろ。『暴食之剣』」
禍々しい魔力の集合体が剣となる。
「はああああ!」
「おらあああ!」
ぶつかり合い、弾け合う。
ガキイイン!
そして、霧散する。
「はあ、ウチの負けっす。ウチの最強の切り札の神魔級魔術で倒せないっすから」
「すげえな。」
「最後のって何をイメージしたんすか?」
「御伽話に出てきた魔王の剣。」
「すごいのはそっちすよ。はあ、自信無くすっす。」
「まあいいや、飯でも食って、出発しようぜ。」
「そうっすね。また王都に帰ったら修行するっす。」
「こここうしたらいいよ」などの優しいコメントがあれば幸いです。ダメ出しよろしくお願いいたします。