8.奮戦
更新遅れました…こっから投稿ペース上げてきます。
「ああ!もう!いくら倒しても数が減らないっすよ!」
ミストがしんどそうな表情でそう言った。
「もう少しの辛抱だよ。ミストさん。もうすぐすればライムさんが片付けてくれるよ。」
「フローさん…。そうっすね!耐えるっすよ!『風の啓示』」
ミストが風の加護をその身に受け、戦場を駆け回る。
「うちに勝ちたいんならフロアボスを連れてくるっすよ!『風霊のささやき』」
戦場を駆け抜ける風が怪物たちを襲う。
「さて、じゃんじゃん行こう。『蒼剣』
水属性の魔法剣。それはライムの持つ『虹帝剣シグルド』の青の形態である『蒼帝剣ラピス』の下位互換である。ラピス以下の出力と火力だが、ラピス並みの火力を並みのモンスターに使うと結果的にオーバーキルになってしまう。そのため、ただのモンスターには『蒼剣』の火力で十分なのである。
ギャオオオス!
そしてモンスターの大群の中から現れたのは、危険度災害級のサラマンダーの上位種である、ネオサラマンダー。サラマンダーとはモンスターの中では精霊系にあたるモンスターである。物理攻撃はあまり通らないモンスターで、炎を操る。サラマンダーは常に炎を纏っており、その炎の色は通常赤色をしているのだが、ネオサラマンダーは、青色の炎を纏っている。炎は色によって温度が変わり、青色はその中でも高温なものとして知られている。サラマンダーの危険度は炎の色で決定されるのだが、ネオサラマンダーは、炎が青色をしているため、その危険度は極災害級である。
「ネオサラマンダーっすか。厄介なんが出てきたっすね。『天翔る翔風』」
風が吹きネオサラマンダーの放った炎を吹き消す。
「追い討ちをかけよう『蒼魔刀』」
詠唱し、作り出した刀状の武器でネオサラマンダーを切り付ける。
ネオサラマンダーが、纏っている炎の勢いが弱まる。だが、ネオサラマンダーの口に熱が集まる。
「フローさん!『蜥蜴ノ焔』が来るっす!相殺するっすよ!」
「了解です。『蒼ノ激流』」
「うちもっす!『翡翠の暴嵐』」
蒼色の水流と翡翠色の風が、青色の炎と激突する…
その刹那…一筋の閃光が戦場を駆け巡る…
青の攻撃を見て何かに気付いたのか、ミストが顔を緩ませる。安堵の表情である…
「やっとっすか。遅いっすよ。」
その閃光の正体は…
「すまない。少し遅れてしまった。」
王都ギルドに所属するS級冒険者の一人。『雷速の剣聖』エルム。世界最速のスピードを誇る冒険者だ。先代の剣聖エルレインjから、剣聖の名前を受け継ぎ、剣を振るう。
「今、リヴィウス殿に知らせを受けてな。最高速度で来た所でな。」
「遅いっすよ。」
「ガハハッ、すまぬな。おっとミスト殿、まだ蜥蜴が生きているようだが。」
「よし、じゃあ決めるっすよ。『天風ノ御使』」
「『蒼魔ノ拳銃』」
「『刹那ノ雷刃』」
三つの攻撃が一つに収束し、ネオサラマンダーに激突する。
ギャオオス…
「よし、やったすね!」
「エルムさん、ありがとうございます…」
「いやいや、吾輩も久し振りに強敵と戦えて良かったわ…」
「とりあえず、他の人たちの援護に回るっすよ…」
「了解」
「応」