表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ツイていないと思ったら、ツイていた

作者: 降井田むさし

パンクした。

帰りに乗ろうとしたら、タイヤがグニャリ。後輪のタイヤが、グニャリとなった。


ヤバい。

そう思った。

家まで、かなり距離があるから。

そして、近くに自転車屋さんも、無さそうだから。

押して歩くことを考えたら、頭が真っ白になった。

朝の通勤の時には、普通だった。


普通に到着した。

なのに。

帰りに見たら、パンクしていた。

途中でパンクした方がよかっ た。

家まで歩くと、かなりあるから。


でも、朝じゃなくてよかった。

朝、会社に着く直前にパンクしたら、考えちゃうから。

どうしようかと考えて、仕事が手につかなくなるから。

結果的に、良かったのだろう。

不幸中の、幸いというやつか。

さらに、不幸は続いた。


自転車屋さんが、休みだった。

家の近くの自転車屋さんは、定休日だった。

スマホで調べたら、月曜日が定休日だった。

ツイてない。

休み明けにパンク、それもツイてない。

そこから、家の反対側へ歩くことになったのだ。


次に近い自転車屋さんに、行こうとした。

スマホで調べたら、そこはやっていた。

パンク修理には、それなりのお金が掛かる。

でも、お札が一枚もなかっ た。

いつもは、一万円以上あるのに。

現金がほとんどない。


自転車屋さんの、手前のコンビニに寄ることにした。

コンビニATMで、下ろそうとした。

でも、ATMで10分以上ずっと動かない人。

そんな人がいて、諦めた。


少し遠いホームセンターの、自転車屋さんに行った。

一時間近くは、歩いた。

やっとだ。

そう思った。

でも、貼り紙を見て、ため息をした。


修理が溜まっているから、お渡しまで一週間かかります、的な。

すぐ修理はできないんだね。

せっかく来たからお願いした。

代車を貸してくれた。

無料だった。

だから、よしとするか。


代車に乗った。

全然違った。

漕ぎ心地が、全然違った。

代車は、いい自転車なのだろう。

しっかり漕げる感覚。


パンクしたあの自転車は軽くて、素早く何回も漕がないと進まなかった。

でも、代車はひと漕ぎでかなり進む。

スゴイいい感じ。


そんなことを考えていたら、ライトのことを思い出した。

ライトを点けてないかも。

そう思った。

夕方は、ライトを点けないといけないから。

でも、点いていた。

今までと違うんだ。


自然に点くライトで、しかも音がしない。

今までが、ウルサライトだったから。

ホント快適だった。


ツイていないと思ったら、ツイてた。

運勢的にも、自転車のライト的にも。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ