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価値観が違いすぎて、どう反応していいかわかりませんが、何か?

「ねぇ。ミル。モードリン様は、ご自分がその代の聖女より10年も遅く生まれた理由を知ることが出来たの?」


「出来なかったわ。悪役令嬢としては初例だったから、歴代の魔王の手記には何も書いていないもの。事例があったとしても本当の答えには到達できないと思うわ」


「本当の答え? ミルは知っているってこと?」


「原因は、神聖国の皇家の個体情報に含まれるバグだったわ。聖女の個体情報と皇家の個体情報は、わたくしたちとは別の言語で書かれているの」


「別の言語?」


 言語って、なんだ?

 ダジマット語とか、リーズ語みたいな?

 言葉が違えば意思疎通は出来ないけど、言葉が通じなくても子供は出来ると思うよ?



「アンの世界のヒトは共通語で書かれていて、わたくしたちは混沌語で書かれているの。聖女がお子を授かったという話を聞いたことがないでしょ? それは個体情報が書かれている言語が違いすぎるとお子の個体の遺伝子情報が上手く作成されないからなのですって」


「お子の遺伝情報が、上手く出来ない……」


 ああ、見た目は同じでも、別の種族ってことね?



「アンはアンの世界では考古学者なの。混沌語はアンの世界が一度滅びてしまう前に世界を作るのに使われていたいにしえの言語で、考古学者ぐらいしか読み書きできないそうよ?」


「『手紙の僕』が書いていたよ。アンは、トレジャーハンター達のために宝物を埋めて遊んでいるって。考古学者だから、そういうの好きなんだね?」


「きっとそうね? 私たちの世界はいにしえの言語で書かれたいにしえの世界だから、希少価値があるそうよ。でも現代語とは違いすぎてお子が成せないのですって」



「ん? でも、皇家は存続しているよね?」


「それは、翻訳機があるからよ。でも、皇家のためだけにつくった簡易的なものだから、完璧じゃないの。それでお子ができることもあるけれど、出来にくい。2代目混沌が水盆でお子ができそうな翻訳ライブラリ付きの相手を紹介してくれる別のライブラリを追加したみたいよ」


「神聖国の水盆もライブラリなの?」


「初代混沌は、アンの世界から聖女が送られてきたことがわかる検知機能だけ作っていたの。2代目混沌がその後ろにマッチング機能を付けたの」


「だから、タイプの違う2つの機能が一つの水盆で実現可能になったの?」


 神の家で水盆の機能について学習した時に感じていた違和感が思わぬところで払しょくされたよ……



「混沌は世界観警察の特殊任務官だから、付け焼刃でも助力してくれただけで凄く親切だって、アンは言っていたわ」


「世界観警察の特殊任務間だから、って言われても、全然意味が分かんないよ」


 呪文かなって思っちゃった。


「アンの世界の公安組織の文官だと理解してるわ。この世界は聖女に「古代世界での人生体験」を売っている商用世界で、大きな世界改変をしたら公安組織の文官に認可を貰わないと新しい聖女を受け入れられないのですって」


「商用って『人生体験』が商品?」


 なんてことだ!

 信じられない!!


 価値観が違いすぎて、どう反応していいかわかんないよ。


 寿命が長いとそうなるの?


「ふふふ。アンが混沌宮にいた頃のジョナサンを褒めていたわ。未知の世界を知った時、嫌悪感を感じたり、拒絶したりしないで、偉いって。今のジョナサンも同じなのね?」


「ミルはそうじゃなかったの?」


「わたくしは全く意味が分からなくて、ポカンとしてたわ。ジョナサンが根気よく説明してくれて、ようやく理解できた内容だけお話しているの。ジョナサンはもっと沢山のことを理解していたみたいよ?」


「でも、嫌悪感を感じなかったんでしょ?」


「それは、ジョナサンが楽しそうに話すから、楽しいことだと刷り込まれるのよ。『おいしい~』って言いながら食べる親を見て育つとお子の好き嫌いが減るらしいわよ? それと同じね?」


 ミルって、頭の中シンプルだけど、懐が深いよな……



「この世界を最後に改編したのは、考古学者セントリアだったの。研究用途としての目的を終えて、民間に払い下げられたこの世界を購入した後、考古学者仲間とこの世界に入って以前の血なまぐさい世界をドラマティックな世界に変えたの」


「セントリアって、千年前以上の人族の初代皇帝セントリア?」


「そう。セントリアも、アンの世界では考古学者なの。アンの世界の人たちは寿命が長いというか、死なないから、セントリアは実はまだ生きているのよ? すごいわね?」


「まだ、生きてる!?」


「そうよ。セントリアはこの世界での寿命を終えた後、混沌宮からアンの世界『リアル』に戻ったの。混沌宮は『サーバー』と言って、ヒトはそこから『リアル』に戻れるのですって」


「じゃぁ、僕たちもエドワードに後見人になってもらってアンの世界に行くとしたら、混沌宮から出発するの?」


「多分ね? それでね、セントリアの考古学者仲間ってのがスゴイの! 盗人ガーコ、魔法使いテル、魔王ダジマットだったの!」


「え? いにしえの勇者パーティーと魔王?」


「そう。セントリアは英という名前で、真ん中って意味の言葉が入っているからセントリア、だったかしら? ガーコは古賀という家名をひっくり返したあだ名で、テルは輝くって意味の名前で今のブライトなの! ダジマットは田島という家名をちょっとひねってあるって、アンが言ってた。英雄の本名だから興味があって、これは頑張って覚えたのよ?」


「4人ともアンの世界のヒトで、この世界でお子を為した?」


「そう。混沌も愛する魔族とお子を為したかったけど、考古学者じゃないから自分の遺伝情報を混沌語で書けなかったのですって、それでセントリアが翻訳機ライブラリを作ってくれたんだけど、簡易のものだから、バグがあるらしいの」


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