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女王に呼び出されましたが、何か?

 ぽやーっとミルの帰りを待っていたら、母上、いや、ピーターバラ女王陛下から呼び出しがかかったので、王の執務室へ上がった。


「今回の件で、貴方とミルドレッド姫の不仲説に新たな噂が加わるでしょう。まずは学園と王宮が情報戦の主戦場になります。市中に広まり始める前に処理しますから、動揺しないように」


 夜の間に家に帰ったってのは、流石にまずいか……


「私とミルドレッドの不仲説? 目的は?」


 ピーターバラの貴族は魔王の娘がお嫁に欲しいんじゃないの?

 不仲説なんて流したら、縁が壊れちゃうよね?


「操りやすい王太子妃に挿げ替えるためですよ。今ある噂は、姫はあなたに執着していて、貴方は女人禁制の神聖国の後宮に逃げたのに、ダジマットの権力を使って神聖国の内裏で待ち構えていたというものです」


 え~。

 何それ~。

 ミルが僕に執着?

 嬉しいんだけど?


「それから、貴方は成人するまで後宮に籠るつもりだったのに、姫が貴方に会いたくて策を弄して引っ張りだしたというのもあります」


 ミルが僕に会いたくて?

 あ~。

 それも、いいな~。


「顔がにやけていますよ? 喜んでいる場合ではありません」


「にやけているのではなく、王子スマイルです。喜んではいますが」


 しかし、なんで僕がミルを嫌っている方向ばっかりなんだ?

 不仲なら、ミルが僕を嫌っている話もあるんじゃないの?


 てか、なんだか僕、妙に母上と打ち解けてない?

 母上もまだ10回くらいしか会ったことがない「顔は知ってる」ぐらいの間柄なんだけどな。

 顔が似てると打ち解けやすいのかな?


「そして、貴方が姫を疎んじているという噂ですが、昨日の入学式で火が注がれましたよ。その王子様スマイルは剥さないように気をつけてくださいね」


「はい。それは自覚しており猛省しております」


「それから、新たに聖女派が興りました」


「聖女派? 聖女エアリーの?」


「そうです。聖女エアリーは、貴方が神聖国に籠っている間に積極的に社会奉仕活動に参加し、民からの人気を得ています。また聖女の記憶を使って数人の貴族令息を闇に飲まれる前に救い出しています」


「先代聖女シエルのように?」


「聖女シエルの影響で、聖女の記憶は『聖女の予言』という新たな概念で好感を持って受け入れられています。それに倣ったのです。聖女エアリーは貴方はミルドレッド姫に繋がれた鎖から解き放たれることで闇が祓われると予言したそうです」


「ミルドレッド姫に繋がれた鎖……」


 え?

 なんか、それ、ゾクゾクする響きなんだけど、僕、変態かな?


「今はその王子スマイルはしまいなさい」


「申し訳ありません。にやけておりましたか?」


 うん。

 母上とのコミュニケーションは、思ったよりテンポがいいかもしれない。

 血のつながりのある親子って、こんな感じなんだな?


「貴方の側近候補たちは聖女派の筆頭です。潰したいなら泳がせるのが良いでしょう。3家とも魔王の闇に属していますから、それぞれの家長が自ら処理するでしょう。逆に温情をかけたいなら相談に乗りますから、また来なさい」


 ああ。

 側近候補たちは、既に終わってるんだな?

 いい奴らだったら見捨てづらくて嫌だな。

 


「聖女は魔王の闇を3家も標的にしたのですか? 野心が凄まじいですね?」


 魔王の闇とは、旧魔王軍が存在した古の昔から存続する6名家のことだ。


「ええ。当代聖女は狡猾です。姫は強いけれども育ちが良すぎるところが少し心配です。あまり近づけないようにできると良いのですが、聖女に興味を持つのは悪役令嬢の性だといいますし、気をつけておきなさい」


 子供の頃からミルが聖女に興味を持っているような雰囲気はないけどね。

 会えなかった期間にちょっとは関心を持つようになったかな?


「なるほど。ありがとうございます。肝に銘じます。ところで陛下。私とミルドレッドはゆっくり話をする場所が全くないのですが、どこかおすすめはありませんか?」


 今の話では王宮の噂を細かく調整している感じだから、僕たちの居室の侍女が母上の手駒でないのは、母上が敢えて敵勢力を泳がせているってことだよね?

 それにしても息苦しすぎるからな~。


「話? 話なら迎賓館の中庭がおすすめよ。あそこはあまり広くない分、庭師たちの手が行き届いていますからね。時間帯は夕餐の後のたそがれ時なんて特に美しいわよ。後は、二人ともピーターバラを知らないのですし、馬車で街を見て回るとか?」


 夕餐の後なら影が敵勢力を追い払っていてくれるということですね?

 分かりました。


「庭園はちょうどいい! ミルドレッドは運動嫌いで、散歩が必要ですから。試してみます」


「陛下、殿下、姫がお戻りになられました」


 ちょうどいいタイミングで、側近らしき男がミルが戻ったことを告げたので、優雅に辞して、大急ぎで居室へ戻った。


 ミルぅ~。

 心配したよ~~。


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