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ビームガデルヨ!

変貌した体をいろいろな角度から確認する菜乃花。

ぴょこぴょこと触手が動いているのに気づいて両手で捕まえる。


「か、変わっちゃった。」

「ナノカ!あなた戦闘経験はある?」


合体したコルルは菜乃花の体からは姿を見せない。

体が合体している関係で心の中で会話する二人。


「戦闘!?そんなのしたことないよ!」

「なら体を大きく動かす想像をして!細かい微調整は私がするから!」

「えーっと…。どうすれば…。」

「そんな子供に主導権を渡すなんて…。ギンガ警察も落ちたものだな。」


オムロットの背中から黒い筋繊維が溢れ出す。

洪水の様に流れるそれはカマキリの鎌の様な形を流動しながらも形成する。

蜘蛛の足の様にそれを八本生やしたオムロットその姿は宇宙人というよりも妖怪に近かった。


「ふんッ!」


オムロットの声に合わせて八本の凶刃が菜乃花を切り刻もうと振るわれる。

常人の目には残像すらも目視できない超スピード。

しかし、共生合体した超人ならば別。

刃が立っていた地面を抉るよりも先に菜乃花の体は遥か上空まで飛び上がっていた。


「わ、わ、わー!高い!」

「飛行能力ぐらいはある!ナノカ!あいつの頭をひっぱたく。まずはそれに集中してみて!」

「頭…。頭…。頭!」

「そう!頭!」


刃は瞬時にオムロットのもとに縮退すると次はシャワーの様に展開され、空中の菜乃花の動きを制限する形で展開される。

飛行。というよりは落下に近い動きで菜乃花は刃に向かって体を向ける。

無論あたりに行くのでは無く回避しながらもオムロットに近付くため。


「避けなくていいわ!私に任せて!」


菜乃花の意志ではなくコルルの意志で頭の触手が動き始める。

何房もある触手たちはオムロット目掛けて飛来する菜乃花の体を干渉しない様に大振りの拳の様な動きで刃を弾き飛ばす。

一見すると柔らかそうな筋繊維と触手。しかし、双方がぶつかり合った音は金属同士の衝撃音に近かった。

自身の腕が届く範囲まで近づいた菜乃花。慣れない手つきで拳を振り落とす。


「てぇーい!」


落下する力に共生合体による身体強化。並みの生命体では到底反応できない速度、そして力。

その拳を前にしてオムロットはにぃっと不気味な笑みを浮かべたまま。

強大な拳は掴まれた。倍はあるかもしれない巨大な手に吸い込まれた菜乃花の拳は引いても押してもびくともしない。

ずいっと菜乃花と顔を近づけるオムロット。


「平和なお星の子供に教えてやろう。拳というのはこう振るうものだよ。」


菜乃花の腹部に何度も拳が叩き込まれる。

息と唾が噴き出し吹っ飛ばされそうになる菜乃花。それを拳を包んだオムロットの手が許さない。

触手がオムロットの体を包み込もうと反撃する。

それは簡単に避けられてしまうがオムロットと菜乃花の距離を離すことには成功する。

伸縮する触手が追撃をしようとオムロットに殺到するが、筋繊維を竜巻の様に回転させた反撃に拒まれる。

菜乃花を切り刻もうとする筋繊維は触手が、オムロットを殴り飛ばそうとする触手は筋繊維が、互いに弾きあう。

絡みあう両者の武器は上空で火花を散らし合う。

攻撃と防御。両方を同時に並行するコルルの触手は一気に至近距離に近づくオムロットに対応できなかった。

咄嗟に体を縮こませる菜乃花の体をオムロットは全力で蹴り飛ばす。

吹っ飛ばされる菜乃花。空を飛んでいるその体を叩き潰そうと筋繊維を纏い強化されたオムロットのかかと落としが炸裂する。

防御に徹した触手は今度は攻撃を受け止めるのに成功する。


「ナノカ!大丈夫?」

「あれ…。あんまり痛くない。」

「かなり防御力に振ってるからね。怖がらずに行こ!」


何度も触手へ足を振り下ろすオムロットだが、突如弾けた触手に後ずさりをする。

倒れた姿勢から腕を使わず触手で飛び上がる菜乃花。

歌舞伎役者の様に髪である触手を振り回す。

何房もの触手によるシンプルな回転打撃。

それを筋繊維で無効化したオムロットは今度は刃ではなく錐の様に先端を尖らせて菜乃花へと攻撃を放つ。


「今度は防げない!避けて!」

「わわわわ!おっととあぶなーい!!!」


バク転、上空へ回避、空中での旋回。力溢れる合体した体に早くも慣れ始める菜乃花。


「これなら…。どうかなッ!」


体に接続されながら菜乃花を追っていた筋繊維がロケット弾の様に飛び出す。

菜乃花の飛行速度よりも早く飛来するそれを触手を固めて盾にして防ぐ。

それでも着弾の衝撃は殺しきれず、菜乃花は力を失い落下していく。

高台から飛び出し、かなりの高所からの落下。

その隙をオムロットは逃さない。

笑みを携えたまま筋繊維での連撃で触手を弾き飛ばし、菜乃花の首を握りしめ顔面に重たい一撃を浴びせ続ける。


「ちょっといったいッ!じゃん!」


菜乃花もやられたままでは終わらない。

首を掴む手を支柱に両足での蹴りを喰らわす。


「じゃじゃ馬だね。」

「ふんッ!」


首を掴む腕を振りほどいて全力の頭突きをお見舞いする。

クリーンヒットしたそれはオムロットを吹き飛ばす。

地面にふわりと着地する菜乃花。


「ナノカ!触手の先端に集中して!力をためるイメ―ジ!」

「ふーん!むむむむむ!」


菜乃花が両目をつむり力を触手の先端に集める。

わずかに雷が発生する触手。


「いくわよ!バババ☆エレクトリカルビームッ!」


コルルの号令と共に触手から高エネルギーの光線が発射される。

それはオムロットが盾の様に展開した筋繊維を貫きその体に塗りつぶす。


「なるほど…。合体か。」


爆発。

自慢げだった菜乃花だったがすぐに口を開ける。


「バ…。バローン!」

「大丈夫よ。手加減はしたから。」



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