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18/22

目立ちたくないんだが

 翌日。早朝。


 試験結果を確認すべく、俺はそそくさと士官学校へ向かっていた。


 受験生は大勢いたのに、次の日には試験結果が公表されるなんてな。さすがは帝国最高峰の学校というべきか。


「最下位の点数取れてたらいいねー、レクター」


 隣を歩くレナスが、のんびりとした口調でそう述べる。


「ああ。結果がどうなってるか……正直、俺にもわからん」


 あんなに魔法の基準が変わりまくっているとは、さすがに俺も予想外だったからな。手を抜こうにも塩梅を掴むのが難しく、結果、老齢な試験官に声をかけられる始末になってしまった。


 ――まあ、落第してたらそれでも構わない。

《月詠の黒影》としての活動が行えなくなるわけではないからな。


「あ……あった。あそこみたいだよ~」


 ほどなくして目的地に着いた。

 校庭のど真ん中に掲示板が設置されていて、そこに大勢の受験生が集まっている。転生前、レクターも何度か見てきた光景だ。


 ……なんか年甲斐(?)にもなく緊張してくるな。


 魔術試験は平均よりレベルが高かったようだし、《ファイア》の位置を外しすぎていなかったかどうか……


 いろいろ考えすぎてしまう。


「あ、あったー! レナスの受験番号、あったよ~」


 掲示板に到着してすぐ、レナスがそう声をあげた。


「も、もう見つかったのか……」


 早い。早すぎる。

 たしかにレナスは無難に魔術試験をクリアしていたし、それも当然の結果か。俺ももう少し、ベイリフ流の魔法を学んでおくべきだったか……


 そう思いながら、俺は自分の受験番号を探す。


 だが――


 見つからない。

 掲示板の端から端を探しても、俺の番号がどこにも見当たらないのだ。


「どうしたの、レクター? なんでそんなにしょんぼりしてるの?」


「……いや。良い塩梅を狙うのに失敗したようでな」


「なに言ってるの。あそこにあるじゃない」


「え……?」


――――



 特待生合格者一覧


  ・レクター・ブラウゼル


    ランクE教室


  ・カトレア・ミュスラム


    ランクA教室


  ・ヴァハーム・レイド


    ランクA教室


――――



「は……?」


 おいおいおい。


 特待生で合格とは……いったいどういうことだ。

 しかも特待生って、《成績優秀者》ってことだよな? なのにランクEの教室に割り当てられるって……全然意味がわからないんだが。


 今さらだが、サクセンドリア士官学校においては、受験時の成績によってクラス分けが行われる。


 E、D、C、B、Aの順で優秀になっていくわけだ。Eはその最下位クラスであり、そこに入れたのは狙い通りなのだが。


(特待生なのにランクE……!? 意味がわからんぞ……!!)


 俺の内心の叫びに比例して、周囲にも疑問の声が広まっていく。


「おい、あの特待生……おかしくね? 貼りミスか?」

「っていうかレクターって……。あんなしょぼい魔法しか使えなかった奴が、なんで特待生になってんだよ……!」


 こりゃあまずい。


 目立つのだけは避けたかったのに、これじゃなんの意味もないではないか。


「ふふ♡ さすがはレクターね」

 上機嫌に微笑みながら、レナスが俺に腕を絡めてくる。

「目立つ気はないのに自然と目立ってしまう……。うふふ、そういうオチ、私も嫌いじゃないわよ♡」


「なにを言っとるんだ、おまえは……」


 思わず額に手をあてがってしまう俺。


 どうしてこんな結果になってしまったのか全然納得はいかないが――まあ、合格は合格だからな。幸いにも最下位クラスだし、目立たないようにしていれば大丈夫だろう。たぶん。


「おい、そこのおまえ」


 そんな思考を巡らせていると、ふいに野太い声に投げかけられた。

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[一言] 更新があったりなかったりすると、評価もあったりなかったりする訳で。(´д`)(あったりなかったりしてるうちにあとはマァ、お察し。)
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