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【カーネーション】  作者: 神崎慧
第一部
6/21

第5話『彼女の出会い・気付かぬ昼』


「……あなたが、メイさん、ですか?」

 腰掛けていたベンチから立ち上がり、声をかけてきた女の人に問い掛ける。

 イズミが偽名ではないから、というのももちろんあるが、それ以上に意外だったからだ。

 こんなに若いとは、思わなかった。

 確かに、電話の声で若いだろうことには気付いていたが、せいぜいが二十代半ばくらいだと思っていた。

 そんな私の気持ちに気付いたのかは分からないけど、彼女は私の質問に頷く。

「そう。私がメイよ。初めまして、イズミさん」

「え? あ、はい。初めまして、メイさん」

 自己紹介されるとは思わなかったため、少し呆気に取られて反応が遅れてしまった。

 メイさんは慌てた私の様子を見て、少しだけ笑っていた。

 そして、真剣な顔付きに変わって言った。

「さて。それでは、説明しますね。【カーネーション】のことについて。……その前にこんなところで立ち話もなんですし、どこかへ移動しましょうか。その制服も、目立っちゃってますしね」

 ふと周りを見渡した彼女は、少し苦笑を浮かべながらそう言った。

 周りを見渡してみると、少し人気が増えていて、私たちに視線を向けていた。

 子供連れのお母さん達だろうか。

 その時になってようやく、自分が制服のままだったことを思い出していた。

 そりゃ、目立つはずだ。

 こんな昼間に制服姿の女子高生が公園にいたのだから。

「す、すみません」

「いえ。……そうですね。制服でも、ファミレスとかならそこまでは怪しまれないでしょうし、そこにしましょうか」

「あ、はい。お願いします」

 私たちはそう言いながらその場を後にして、近くにあるファミレスを目指した。




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