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第3話『黒峰周吾』
黒峰周吾はつまらないテニス部員だった。
テニス部顧問『三井聡子』は考える。
黒峰周吾は運動神経は良さそうだ。
サーブもボレーもストロークも基本に忠実。
だが、それだけだ。
基本に忠実を守りたいがゆえに、
イレギュラーなボールを無理に打とうとしてミスをする。
彼にとってテニスとは、型通りにボールを打つスポーツで、
それ以外はどうでもいいのだろう。
つまりは、『勝ちたいという意欲』・・・それが決定的に欠けている。
それでは絶対に強くはならないだろうな。
まぁいい
『白馬風利』だけでも活躍してくれれば、部としてはそれで安泰だ。