第11話『vs白馬 その1』
「お互い恨みっこなしだ、全力で勝負しよう」
爽やかな白馬との握手で試合が始まる。
都大会予選・・・
ここで3回勝てば・・・全国大会への出場が決まる。
その3回戦・・・白馬と対戦することになった。
表情はなんとか平静を取り繕おうとした・・・
内心・・・黒峰は怯える。
白馬と相対することに・・・心底怯えていた。
なんでだよ・・・どうしてだよ・・・意味が分からない・・・
戸惑い、動揺・・・
俺は平常心を保てなかった・・・
気持ちを必死に押さえつけて冷静になる。
3-1、白馬リード
全力で戦っても・・・
開いていく点差・・・
勝てない・・・やっぱり・・・勝てない・・・
舞浜は遠慮してか両方にエールを送る。
どちらに送るエールに気持ちが籠っているかなんて明らかだ。
「・・・」
ああ・・・ああ・・・・ああああ・・・・あああああああ・・・あああああああああああああああああああああああああああああ
涙がポロポロとこぼれる・・・
観客は汗だと思うだろうか・・・
もういいじゃないか・・・
負けてしまっても・・・
なぜ自分を追い込むのか元々意味が分からなかったんだから・・・
ちくしょう
舞浜のエールが自分への応援だったら・・・どんなに良かっただろうか・・
たくさんの剣が自分にグサグサと刺さるのを感じる・・・
ふらついて、そのまま・・・崖から落下しているような気分だった・・・
汗が血液の様にボタボタと零れ落ちて止まらない・・・ははは・・・
抜けていく力・・・
頑張れ、頑張れと叫ぶサッカー部員たち
なんでいるんだあいつら・・・
どうせあいつらも無様でピエロな俺を持ち上げて騒いで喜んでるだけだろ・・・
もう何もかもどうでもいい・・・