鰻丼
鰻はけっこう釣れる魚です。
金曜日の学校が終わると釣具屋の尺取虫に走り出す。
次の狙う魚を決める為に店長に聞きに行く。
「こんにちは!店長、美味しくってお母さんを喜ばせる事が出来る魚何かないかな~?」
「鰻なんてどうだい?」
「鰻なんて広島市内で釣れるの?」
「釣れるよ!」
詳しく店長に聞いて行く。
仕掛けは、鰻仕掛けで餌はミミズや、青虫‼
早速、ポイントに見に行って見る。
カワウが、鰻を飲み込んでいる瞬間を目撃する。
「すげー」
なかなか面白い物を目撃できた。
家に帰り、鰻は夜釣りなので、夜に釣りをするために用意してから出掛ける。
場所は、住吉神社のまん前、シーバスの一級のポイントである。
ここは、石が沢山沈んでいるのでそこを狙う。
餌は、青虫で数匹を房掛けでつり始める。
最初の当たりがあり、なかなか引く魚が上がってくる。
35cmのマゴチである。
ここは、昔からマゴチが釣れる場所です。
「やったー、刺身で美味しい魚ゲット~」
クーラーにしまい、次を狙う。
ごんごんと、竿が曲がる。合わせると、リールが巻けないほどに重たい。
ゆっくりとやり取りをして、魚を浮かしてくる。
一メートルはある、オオウナギがかかっている。
タモを出して取り込む。
すぐに、クーラーに入れて喜びながら、持って帰る。
お母さんに見せると、すごく驚いてくれる。
これは、食べるのが楽しみである。でも、それ以上にある思いがある。
「お母さん、誕生日おめでとう。いつもありがとうね。」
ケンタは、お母さんの誕生日だから、お母さんが喜んでくれる様な魚を釣りたかった。
今日も、料理を手伝って行く。
鰻は、さばいた事はないが、まな板がずれない様に押さえとかないと、一人ではさばきにくい。
蒸した後に、蒲焼きにする。脂がよくのっていて、香ばしい匂いが立ち込める。
家族三人がそろい、鰻丼を楽しむ。
「ケンタ、お母さんは幸せ者だよ。」
そう言われて、ケンタは頬を赤らめながら鰻丼をほうばっていた。
家族とは、こうあるべきだと思います。(*^^*)