ハゼのテンプラ
はじめまして、メスティンです。読んでくれたらうれしいです。
魚釣り、多分だけど好きな人は沢山いるはずです。
そんな魚釣りを大好きな広島ケンタの物語。
朝、自然と目が覚める。
いつもの中学校に行く時とは全然違う寝起き。
「今日の獲物はハゼだ!」
広島の太田川の河口に行く予定。
朝、まずは、家の近くのつり具の店の尺取虫におんぼろの自転車で行く。ここの店長は小学校の時からの付き合いなんだ。
「おはようございます」挨拶は釣り人の基本だ。
「おはようケンタくん、今日は何を釣りに行くのかい?」
「今日はハゼを釣りに行こうと思います。」
「ハゼ釣りならオススメは海ゴカイだね。」
「海ゴカイを300円ください!」
「はいよ300円分の海ゴカイね。」
餌を入れ、新聞紙にくるんでくれる。
それを待つ時間がとても心地よい。
「沢山釣りなよ!」と店長が言ってくれる。
「頑張ってきます」と言って釣具屋を後にして釣り場に向かう。
竿は延べ竿のメバル用の6mの竿。仕掛けは浮き仕掛け、浮きが沈むのがとても楽しいのである。
海ゴカイをつけて投げる。
浮きが流れて行くと、ピクピクと浮きが沈む。
「きたー」
10cmのハゼである。
すぐにクーラーに入れて、次を釣る。
こんな調子で、12匹のハゼを釣り、最後のハゼをつり上げる時の出来事である。
浮きが沈み、合わせたらいつものハゼの引きではない。
根元から延べ竿が曲がり、竿がキュインと音をたてる。
ぐんぐん引いている者に対して、それを耐えるケンタ!
「デカイ‼やったー」と叫んだ時に、糸が切れる、魚影は見えた。真っ黒な魚体のクロダイで40cmは有ったと思う。
「チキショー、でかかったのに」と大声で叫ぶケンタ。
近くで見ていたおじさんが、惜しかったねと声をかけてくれる。
ケンタの腕は震えている。始めての大物だった。始めての駆け引きだった。
興奮が覚めたケンタは、竿を片付けて自転車にまたがる。
そして叫ぶ「今度は釣り上げてやるからなー!」
家に帰り、魚を母親に見せる。
「沢山釣って来たのね」
俺は、母親にクロダイの話しをする。
「惜しかったね、また釣れるわよ」と母親は言ってくれる。
今日の晩ごはんはハゼのテンプラだ。
今度は必ず釣り上げてやるからなと、心に誓いながらケンタは大好きなテンプラを口に運ぶ。
「やっぱり、天つゆにハゼのテンプラは最高だ!
」
今日の興奮を忘れる事はないだろう。
明日でも、釣りに行きたいけど、明日からは学校があるから行かれない。
次の日曜に必ず、大物を釣り上げてやる。
広島の太田川は、ハゼの宝庫です。沢山の釣り人の釣り欲を掻き立てる作品を作りたいと思います。