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maiden ' s prayer


リサのおじさんは、勤務前だったので

制服ではなく、ゴルフスラックスにシャツと言う

自然なスタイルで

日焼けした顔を、人懐っこく綻ばせた。


リサに、どことなく似ている。


「おぉ。リすぁっ子"の。がっこでおすぇわになってます。」と

訛った言葉は、よく分からない(笑)けど、親しみが持てる人だと

すぐわかる。



いい人だ。Bluemorrisの人ってみんなそうなんだ?と

めぐは思った。




「お世話になってるのは、あたしの方です」とめぐは

微笑みながら。



こういうひとに、肩肘張る気持にならない。




「じさまが、あんただ事になっての。リサも悲しんでの。

それで、急いで国鉄さ入るって。


Bluemorrisさくれば、入れるっきゃな。」と、リサのおじさんは


相変わらすよくわからない言葉で(笑)。



でも、こっちには来ていないみたい。



「リサは、国鉄に特待生で入って、大学に行けるって

本社で聞かされて喜んでたんです。

それが、ダメになるかもしれないって、ショックで。

おじいちゃんのお墓参りしてくるって、学校休んだんです。」と


めぐは、そのまま伝えた。




おじさんは首ふって「ぃやぃやぁ。今すぐ国鉄さ、なくなる訳でなぃ。

来年くらいは、そのままだべ。

区長?でんゎ貸してけへ。」と


さっきのヘルメットのおじさんに言う。





.....あのおじさん区長さんだったの(笑)とめぐは

笑ってしまいそうになった。



それを見て、おじさんは

詰め所の電話を取りながら笑う。


「おがしぃべ、あん区長、あれでも偉ぃんだぁ。ヘルメットの下も

ヘルメットみたいなあだまでなー。」と


黒電話のダイヤル回しながら、おじさんは笑う、そして


鉄道電話の受話器を持って「あ、総務?わだし。Bluemorris車掌区の。

そうそう。こないだ死んだじさまの息子。姪のリサの事、頼んどいたあれ。

取り消しなんてないべさ。?....そだよねぇ。そう思ってたけど。

うん!ありがと。めんごいね、あんだ、いつでも、じゃ!」と

電話を切ったおじさんは、満面の笑み。



「そっだごとないと。決めた事は、変えません。国鉄はそういうどごです。

汽車がバックしたら困るべさ。」と


にこにこ。



めぐも、つられてにこにこした。




こういうとこなら、いいなぁと

思いながら。






なんだ。

リサの思い過ごし...なら、なんで?


めぐは考える。



理屈じゃなくって。心が

ダウンしていたんじゃないかな。


おじいちゃんがいなくなったから

その、心の淋しさを

何かにぶつけたくて


突然、鉄道職員になるなんて言い出した。



そこに行けば、おじいちゃんの

温もりを思い出せる、なんて

そんな気持ちで。




思いがけない、おじいちゃんの計らいに

国鉄本社で出会って。



「ここが、わたしの居場所」そう思ったリサは



突然、政治、なんて言う

訳の解らないものに



その聖域が、容易く壊される

かもしれない、なんて事に気づく。



気持ちの上の事。



一度、失った心の支えを

再び失ったような、そんな気がした


リサは、心の拠り所がなくなったような


気がした。



旅は、そういう時にするもの。





......だけど。




彷徨う事もたまにはいいけど。



そういう心の隙間に、不幸が忍び込むなんて

小説にもあるし。



なんて、めぐの心配もまた、理屈じゃない(笑)。





とにかく。リサの思い込みを

解消して。




大丈夫だよって

言ってあげたい。



それだけの思い込みで、めぐも

出奔(笑)。



めぐ自身がいなくなった、もう夕方だって

家や学校で、心配されていて(笑)。





そういう事に気づかない。

それで、めぐ自身にNaomiから電話が掛かってきて(w)


「めぐぅ?あんた、なにやってんの?どこにいるの?」と。


相変わらず、Naomiはお姉さんっぽい。





めぐは「あ、リサの後を追って、今、Upperfieldの。

リサのおじさんに会ってるの。と。


Naomiは「なーんだ。学校からいなくなっちゃったのが

リサとめぐだから。

みんな心配してるよ。戻っておいで。」と、声が笑顔になった。



めぐは「でも、リサがまだ、見つからないもの。おじいちゃんのとこに行くって

言って出かけたの。

ほら、就職がダメになるって思ってたから。」と、めぐは

ついさっきの、おじさんと国鉄本社の会話を思い出して

笑いそうになりながら。



「なにをおかしそうに話てんの?それじゃぁ、あれか。

就職ダメにならなかったの?それをリサに言った?」と


Naomiは、なんとなくお父さんっぽくもある(笑)。





めぐは、「あ、そうだ。それをリサに伝えないと。そうそう、Naomiの

郵便局も怪しかったんだから。民営化されて

監獄みたいになっちゃうって。」と、めぐは少し冗談めかして。


「でも、そんなことないみたい。」と続けた。




Naomiは「あたしは、監獄でもなんでも大丈夫よ。郵便配達なら

バイトした事あるし。どんなとこだってやっていけるよ。」と


そういえば、Naomiってバイトしてたんだっけ。と

めぐは思う。



しっかりしてるなぁ、とは思ってたけど。




めぐは、自分自身まだ、甘えてるんだな、なんて

ちょっぴり反省。



面倒になったら、魔法も捨てちゃうなんて思ったり。

バイトのまま、司書の資格とって図書館にい続けて、なんて

お気楽だもん。



でも、それはそれでいいんだけど。




「Naomi,じゃ、あたし、リサを探すから。電話してみるね。

おじいちゃんのところへ行ってるかもしれないし。」と

めぐは、Naomiとの電話を切って。





リサへ、電話を掛けてみた。




リサの番号は、確かにつながるけど


留守電になってた。





「うーん....。」どこ行ったんだろ?




リサのおじさんは「列車のなが、でんわ停めでるんでねがの?」と。



ああ、そっか。




普通、マナーモードとかにするけど。


留守電になっちゃう事もあるもの。



リサのおじさんは、ポケットから乗務員用の時刻表を取り出して

右手ですいすい。


「Bluemorrisまでは、SuperExpressだと3時間だから

お昼すぎにUpperfieldから乗っても、もう着くね。」


慣れた対応は、いかにも車掌さんらしい。









リサのおじさんみたいに

普段の、仕事している動作が

つい、癖ででてきちゃうような



そういう人って、なんとなく愛らしいと

めぐは思ったりもする。




自分も、そんなふうに


図書館の人になってるのかなぁ、なんて


少し、思ったりもした。





リサも、知らずに

家族が国鉄のひとだったら



国鉄ふう、のリサになってて。




自然に、学校を卒業したら

国鉄に入るものだと


そんなふうに

思ってたところに


政治、なんて

訳わかんない(笑)もののせいで

それが、無くなっちゃうのは

やっぱり、ねぇ(笑)。



そんなところがリサの想像。



現実じゃなくって。



良くない想像をするのは

防御したいから。



防御って戦いなんだもん。



行動力が、誰にでもあるから


自分が困りたくないから。



そんなふうに、ひとは

防御したりする。



リサも、そうなんだろう。




「お嬢ちゃん、乗ってぐ?]と


リサのおじさんは、めぐに聞く。



「はい。空いてます?」と

めぐが言うと


おじさんは、「たぶん、空いでるなぁ」と言って



さっきの鉄道電話でどこかに聞いた。すると



「いっぱい空いとるな。だから

国鉄は無駄だと言われるだろが」と


笑った。




「でも、赤字じゃないんだがなぁ」と



黄色いヘルメットの区長さんは

ところどころ、油が染みている

国労新聞、を

持って。




それの見出しには

「今季も収支良好」とあった。





良好って、どういう事ですか?と


めぐが聞くと




「国民の為のサービスだから、黒字が出るのが変なんだけど


儲かってもいない、って事。

」と、区長さんは言う。





だから、儲けが出るようにしたら、国民が損をするので



その、損した分を、外国のお金持ちが


持っていく。



それまで、国民のお金で作った鉄道なのに。





と、そういう事らしい。




「そんな泥棒みたいな事、わしらが許さん」と

区長さんは言った。





確かに、そんなものは許せないと


めぐは思う。





そんな話を聞いてる間に、めぐの携帯電話が鳴って「あたしも連れてってー」と


れーみぃの声(笑)。




「Naomiも行くってと、追加注文」(笑)。




Northstar、乗ってみたいんだと。





「観光じゃないんだからぁ」と

めぐは言ったけど



でも、人手があったほうが、リサの行方を探すにはいいかも。




そんなふうにも思う。



リサのおじさんは「今の時期は汽車

空いとるから。


4人ね。いいよ。

バイトする?」と。(笑)




食堂車手伝って、なんて言いながら(笑)。





その頃のリサはと言うと

SuperExpress-North-East lineの終点に近づき


車内アナウンスを聞いている頃だった。


車窓の右手には、静涼な海岸。

左手には、岩山。


列車は、地上を滑空するように300km/hで走っている。


カーブにさしかかると内側に傾くのが

鳥のようでもあり、飛行機のようでもあり


自然の摂理の共通性を思わせて、楽しくなる。

乗り物に乗ると、気分が変わっていい、と


リサは思う。



携帯電話を公共モードにしてあるので

鳴らなくていい。



ふつう、電車の中ではそうするものだけど、と

リサは国鉄マンの孫である、さすがに。




その「ふつう」の定義はひとそれぞれ、だけど。(笑)




昔はひとつだった。

それは、昔はこの国を建国し、列強に立ち向かうなんて

国だったので、とりあえず国の中は仲間。


外に仮想敵がいる、そういう想定だった。


今は、お金儲けで仲間を作っているひとが多いので


同じ国の中も、味方ばかりじゃないって


そういう妄想に浸るオトナが多かったり。



でも、それは妄想で。




リサのおじいちゃんたちは、みんな、昔のままの国鉄を

愛していた。


この国は変わらない。




それが......。




都会は変わっちゃった。



外国のお金持ちと仲間になって、国鉄を売るなんて。


(と、このときのリサはそう思っていた)。




田舎、Bluemorrisに行けば、温かな心のひとたちに会える。

そんなふうに、疲れたリサの心は思った、のだろう。




アナウンスが流れる。


----Ladies & Gentlemen, We're arrived at "New-BlueMorris" terminal 'bout 10 minutes. please leady truck , thank you .


と、軽快に明るく車掌のアナウンスが流れる。


この車両の担当は若い女性のようだ。



「このひとは、国鉄の民営化をどう思ってるのだろう」と

リサは、まだ思い込みの中にいる。






リサの辿り着いた北の駅は、終着駅の

語感に相応しい海辺で


レールが、海に向かって途切れていて。


以前は船で貨車を運んでいたと言う

その痕跡が残る、最果ての駅。



今は、それでも最新の特急列車の行き交う

華やかな駅が2階につくられて

やや、ちぐはぐな印象もあるけれど

1階の部分は、昔のまま。


蒸気機関車が吐き出した煙りの跡が

黒い煤を屋根に残したり。


そんな雰囲気が、漂泊の旅には

好ましいと

リサは、思いながら

ふたつに分けて垂らした髪が


潮風に吹かれる心地良さを感じていた。





思い込みで、ちょっとセンチメンタル

になる事も


秋のせいだろうか。




それとも、少女的感性だろうか。






一方のめぐは、リサの事を心配していたので


自分が魔法使いだと言う事を


すっかり忘れていた。




「もし、リサがあたし達の事をイメージしてくれたら。」めぐは、魔法使いだから

そのイメージと通信する事ができる。



4次元の通信なのだから当然だ。

時間も空間も飛び越えて、イメージだけが伝わる。




「でも、お昼寝してくれないと無理かな」なんて、めぐは


汽車の中ででもリサが夢見て

くれないかなー、なんて(笑)思ったり。










「じゃ、4にんね。こっから乗ってぐ?」と

リサのおじさんは、愛らしいお国訛りで

めぐに話し掛ける。





Northstarの発車は、Upperfieldから、21時。


でも、そこまでは回送列車で行くので


それに乗って行ってもいい、と



そういう話らしい(笑)。




「4にんもいるなら、4人部屋もあるがらの。」



qualtett compartment car と

4人用の個室もあるのだけど


最近は家族旅行をする事も少なくなったらしく


個室として使われるのは稀、らしい。




そういう時はドアの鍵を掛けないで、ベッド単位で指定するとか。



そういう話らしい。






そういえば、家族4人で旅行、なんて

あまり、めぐも記憶がない。



とても小さな頃なら別だけど。





「ひとり用の方が人気”での」と

おじさんは言う。






そっか。



めぐも納得するけれど。


でも、なんとなく



納得しちゃうのも、淋しい気持ちもある。




温厚で、穏やかなおじさんのイメージでも

家族って、離れ離れが

ふつうになっちゃってるのかなあ、なんて。






「うぢは、鉄道の仕事だがら。

家族旅行なんて、しだごとねぇけど。」と

リサのおじさんは、豪快に笑った。





仕事が、そんなふうに

お父さん、お母さんの時間を決めてしまえば


子供達の思い出にも、いろいろ、

関係するんだろな、なんて


めぐは思った。




「いつか、

ルーフィさんが、困ってるひとを

助けてあげたりしたっけ。



ひとは、記憶の積み重ねで

人格を作れるから



魔法で、過去の記憶を変えられるなら


心を痛めて、困ってるひとを

魔法で助けてあげられる。





そんなつもりで、ルーフィさんは、そうしてた。




「あたしも、リサをおじいちゃんに

会わせたんだっけ」そんな事を思い出す。





神様は、あんまり魔法を使わない方が、って言うけど。





そう、物思いしながら夕暮れの操車場で

列車の行き来を見ている、めぐ。




夕空を、からすさんが

小石をくわえて飛んでいく。




幾重にもなるレールにそれを載せて遊んだりしている。






いたずらからすちゃん。




小石でも


レールに載せて、だいいち小石が

かわいそう。

めぐは、そう思って





小石の空間軸を、少し動かした



比較的簡単だった。






からすさんは、不思議な表情でそれを見ていた(笑)。








魔法をみだりに使うな、と

神様に言われた事を忘れて(笑)。







めぐは、心をフリーにしている。



そうすると、自由に連想ができたりする。






ルーフィさんの

魔法で、困ってるひとの記憶を変えて。

助けてあげた事。



それと、リサの事。

国鉄を、お金儲けの手段にしたい

外国のお金持ちの事。




それぞれが、めぐを連想させる。





「なんて、そんなにお金儲けしたいの?」と




不思議に思った。






お金持ちで、使いきれないくらい持ってるはずなのに。






ふつう、国に働き掛ける力のあるくらいのひとは。


お金がない、なんて事は有り得ないと思う。







わざわざ外国から、どうしてこんな小さな国の平和を壊そうとするのだろう、と

めぐは、ちょっと疑問に思う。







そうした人達の意思、その理由をなんとなく

知りたくて



イメージしてみる。




この国の大統領さんや、政府の人達に

それを働き掛けている人達の

新聞写真。





みんな、いかにも力強く、表情も険しい男たち。







そのうちのひとりの心の中に、フォーカスを会わせた。



Jonathan-Fitzjerald.



幸い、どういう訳か夕方なのに


夢を見ていたようだ(笑)



お酒でも飲んで、寝ちゃったのだろうか。



いずれにしても、お金はあって

昼間から寝ていられる人、らしい。





そのひとの、夢。




しかし、安穏でも幸福でもなく

荒涼とした、淋しい心の中だった。



なにがどう、とは言えないけれど


何かに追いまくられていて、そこから逃れようとしているような、そういう気持ち、だった。





「意外、お金持ちにも

そういう人もいるんだ」と

めぐは思う。




のんびり、ゆったりと

裕福さを楽しんでいるのかと


ふつうのひと、めぐは思う。(笑)






その、心の奥底、記憶を辿って行くと



幼い頃から、その欠乏感、追われる感じが


ずっと、続いていた。





でも、根っこの記憶が無くて


神経の回路だけが、追いまくり、欠乏感を



感じる神経内分泌回路を動かしていた。



なので、めぐは


その回路を、遮断(笑)。





「意味ないもん」


目の前にある現実を見ればいいの。


そんなふうに、めぐは

ちょっとだけいたずら(笑)。


「リサの思い込みも、こうやって直しちゃいたいけど」なんて思いながら。



ふつう、人間に

そんな事できないから


祈ったり、薬飲んだり。

お医者さんに行ったりして


心を直そうとするけれど


魔法使いが友達だったら、


こんな感じで、直せる。


(でも、変えていい訳でもないけど笑)






そのジョナサンさん、この、めぐのいたずらがキッカケで

お金にも権力にも興味がなくなって


人生を楽しむようになった(笑)。


それで、悪い仕事からは失脚してしまったらしい。


でも、それはそれでいい事だけど。



歴史をその後、変えてしまった事には変わりない(笑)。



そのまま危険な権力者でいたら、やがて列強の指導者になって

敵から暗殺されるような運命だったりしたのだから(笑)


いたずらも、いい事もあったりする。



神様のように、歴史を傍観できるひとは

めぐのしている事を



良くない


と思うかもしれないけれど



歴史ではなくて、思い出を作りながら

生きているひとたちには



良し悪しなど、あとで分かる事だし




良し悪しなんて主観である。




ジョナサンさんの場合、危険が避けられたならめぐの行為は良い事だ(笑)。




ひと昔前とは違って、経済的ないさかいで


戦争を起こす程の事はない。



戦争が起こる理由は、今は専ら

思想とか、宗教の違い。



つまり、思い込みである。



そういうものは、頭の中で



目の前の現実を歪曲して考えるから

起こるので






つまり、それまで生きてきた中で

覚えた事柄の関連づけを

変えればいいのである。




コンピュータで言えば、それをdebagと

言うが

つまり、メモリに残っている

電荷の変更なので

物理的には簡単な代物、


電荷を変えるなど、魔法に頼らなくても

容易であるが



たまたま、めぐは魔法使いであった。


人間の記憶は電荷ではなく、神経の接続だけれども

電荷で接続をしている。




リサの思い込みを変えるのも、この方法で

すればいいとは


まだ、めぐは思いつかない(笑)




そんなものだし、友達はやっぱり大切。



見ず知らずの侵略者に使える魔法でも

友達には使いたくない。


それも、尤もだ。








「お友達は、汽車でくるのがの?」リサの

おじさんは、のんびりとしている。



リサに似た、すっきり顔で

そういう言葉を使うので


親しみを感じて、微笑んでしまうけれど




北の方の人達の特徴みたいだ、と

めぐは思った。




北の方の人々は、とにかく寒いから

助け合う感覚が身についていて。





厳しい冬、降雪を

避けて


村の中、皆で

雪かきをしないと

歩く事もできない。



そういう地域だと、皆が

助け合う気風が、自然に出来ているから



誰の利益とか、誰が得するとか


そういう事は、気にならない。

みんなのものだ、と言う


そういう気風が基底になる。



なので、誰にでも穏やかで

思いやりのある、社会を

自然に育てていく。





そういう気分を、皆が持っているから


リサのおじさんや、おじいちゃんも


国鉄のために、頑張ってこれたのだろう。




ある意味、ヒーロー。



みんなのヒーロー。





リサも、もちろんその気質を持っているから

国鉄に入って、みんなのために

働きたいと思っている。




その、国鉄が


例えば、外国のお金儲けのために、

使われるなら......



気分としては、面白くない。




ヘルメットの区長さんや、お掃除のおばちゃんたちも

同じ事を言っているのだろう。




国、と言うよりも



ひととひととの、共通の財産。



そんな感じなのだろう。







そんな、地上のめぐの動きを


天上から、神様は


見ていた(笑)。



「まあ、なるようになるんだろうね」と



にこやかに微笑んでいて。




結果として、ジョナサンさんの

危機を救う事になるんだから(笑)。


歴史が変わっても、それはそれでいいのかな、なんて

(笑)



神様も楽観である。










さて、地上では......




まだまだ、寝台特急Northstarの出発までは、時間がある。



なので、リサのおじさんは


「晩御飯、食べて行きな」と



と、めぐに勧める。




「いいんですか?と


めぐは、ちょっと遠慮。




でも、ヘルメットの区長さんも、もう

勤務時間が終わって、ヘルメットを取って。




ヘルメットみたいな、ぴかぴか頭でにこにこ(笑)

「食べてきな」と



やさしい言葉。





その、操車場の端っこの


鉄骨の2階建て。


割と大きな、でも古い

建物には

黒い、油染みがあるような

そういう、使い込まれた

温かみがあるようで。



事務所の他に、食堂とお風呂、宿泊場所があるらしい。





ホテルのように、綺麗な建物とは言えないけれど


人の温もりを感じる、そんな建物。





「さあ、どんぞ」と



区長さんは、作業服のまま。




外の入口から、直接

食堂へと

めぐを誘った。




「わがい、お嬢さんの

お口にあうがのー」と



リサのおじさんも


にこにこしながら。



誘われた食堂には

いろいろ、温まりそうなお料理がいっぱいだった。


まずは、スープ類。


ブイヤベース、赤かぶ風味。


ビーツと言うかぶは、少し苦みと渋味があって


でも、温まるロシア地方でお馴染みのもの。




ポトフ。



ふつうにお鍋。だけど


大根とか、人参とか、おいも。


玉葱。


コンソメだし、でも

だしが

しっかり。




それだけに、深みのある美味しさは

料理を作る手間を厭わない心が

見える。



お金を掛けなくても、工夫で

美味しいものを作れると言う見本のような



やっぱり、こういう場所に似合うお料理。





「お鍋が多いんですね」と、めぐが言うと




「夜の仕事は冷えるから。お腹から

温まるのがいいんだね」と

区長さん。




めぐは、納得する。



夜まで。みんなのために。


頑張ってるんだな。




仕事、って言うよりも


レールの安全を守るため。




地道な仕事をしているひとがいてくれて、汽車は走る。




いくら、お金を出したって


心を込めて、仕事するひとがいなかったら



鉄道は危険なものになる。





めぐは実感する。



汚れる仕事をしてくれるひとがいて

みんなが、綺麗な暮らしが出来るんだ。







だから、勉強ができたり、お金持ってるから

威張っていいとか、


株式を買い占めたから、儲けは寄越せとか。





そういうのは間違いだ。




そう、めぐは思う。





操車場の人たちが

優しく、温かいのに




ジョナサンさんや、外国のお金持ちたちは

顔つきからして

なーんとなく、悪魔っぽい(笑)


のは、やっぱり、悪魔が取り付いてるみたい。





そう連想すると

あの、ジョナサンさんの心を



むやみに追い立てていた


訳のわからない存在、それが


彼にとって悪魔だったんじゃないかな、なんて




(笑)。






神様も、よその国の


ずっと昔、ジョナサンさんが

生まれた頃の事までは



粛正していなかったのだろうし。

そんな頃、Naomiとれーみぃは

観光半分(?)で


SuperExpress "swarrow" で、首都の駅、Eastpoliceへ到着。


「さあすがに速いわね、でも、オートバイの方が楽しいけど」とはNaomi。



「でもぉ、さすがに北の果て1000kmまでオートバイは辛い」とはれーみぃ。


後に白バイ警官になる人のはずにしては、メロゥなもの言い(笑)。



「そうね」と、Naomiは言い、「リサは何してんだろ?」と

電話を掛けた。






ちょうど、リサはNew-Bluemorrisの駅で風に吹かれて


古い、連絡船が鎖につながれている姿を見ていた。



連絡船が、波に流されないように

碇で、海底に留められているのを見て


連想する、リサ。



「自由に海を行きたいでしょうね」なんて思うのは

リサのどこかに、生き物として自由に行動したい、なんて言う


気持が、たぶんあるから。



国鉄職員のおじいちゃん、エンジニアのお父さん。


割と、理詰めな感じの一家だった。



おじいちゃんは、列車ダイヤ、お父さんは理系のりくつ。



そういうのはもちろん、正しい。




知らず知らずに、リサのこころの奥底に

そういう「正しい」に従わなくては、と言う



気持が。



子供の頃から、記憶が積み重なって行って。



それで、あの夏に「レールに乗るのは嫌」と

咄嗟に反発してしまったけど....。




どこかしら、そういう気持もあったりする。





仕事って、生きる糧だから

それでいいんだけど、安定してれば。






でも、時々は解放されたくて



旅に出たり。




それは、やっぱり生き物って

自由にしたいところもあるから。






人間だって生き物だもの。





リサは、鎖につながれた船を見て


そんなふうに思ったりもする。







同じ船を見ても、「おおきーね」と

ちいさな子は、喜んでいたりする。



こころがクリアなの、っていいなと


リサは思う。



まだ18歳なのに。





「でも、仕事なんてそれでいいのかな」と

思ったりもする。




就職や進学で苦労するより。







小さなかばんひとつで、列車に乗って来てしまったのは

そういう閉塞感もあったり。



特待生、みたいな運命は

もちろんありがたい事。



国鉄、みたいな組織に埋まっていくのは

幸せな事なんだろうけど。




それが、外国のお金持ちに壊されかけたのも

やっぱり運命で



リサ自身にはどうしようもない、国同士の政治のおはなし。




それもまた、リサの目に映る


鎖に縛られた連絡船のような、運命、に見えて。




リサは、自由に生きられないのかな、なんて

思ったりもして。





それは、リサの記憶の中の、ひとつひとつが


主観



で、つながってしまっているから。




つながりを変えれば、気分も良くなる。





客観



現実



を、そのまま、記憶につなげば.....いいのだけど




悩みの最中の本人がそうするのは、難しい。(笑)



ものの見方は、ひとそれぞれ。


大きな船を、碇でつなぐのは


流されないため。



危険から守ってくれているので


リサの気持ちが前向きなら



苦労をさせないように守ってくれてありがとう、と



おじいちゃんや、国鉄を支えてきてくれた

人の気持ちに



感謝こそすれ、鬱陶しいとは

思わないはずだけど


それは、もちろん、気分の問題で




人間だから、そうそう理屈で動けない時だってあるのだ。






神様だって、そうかもしれないけれど(笑)。




そんなリサを、電話のコールが呼ぶ。




「いまどこ?」と


呼ぶのは、Naomiだった。



気持ちはわかる。


どこかへ行っちゃいたい、って思うような



18歳の秋。



もう、子供みたいにしていられる時期も

終り。




でも、もうすこし

こうしていたい。





「あ、Naomi、いまね、波止場にいるの。


船見てる。」と。



その落ち着いた声で



リサの安全を気にしていた

Naomiの緊張は解ける。



「これからね、みんなでそっち行くよ」って

Naomiは楽しそうな声で、そういうので



リサは驚いた。

嬉しかったけど、でも


彷徨いの旅、なんて気分を

少し

、味わってみたかった。



とはいえ、おじいちゃんの家に

行くので


ミニ、さすらい旅

である(笑)。




まあ、女の子としては



ひとり旅と行っても、そのくらいが限界だ。




それなので、みんなが来てくれるのは

心強かった。



けど。



「ノーススターで行くから、明日の朝ね。」



と、言うNaomiの声に、少し、拍子抜けした気持ちもあったり(笑)。





夜、みんなで一緒に眠れる、なんて(笑)

修学旅行みたいなイメージを、つい想像しちゃって


わくわくしてた気分で



淋しい気持ちが、どこかに行ってしまってたのに、なんて




リサの気持ちもくるくる変わる(笑)。




でも、友達のせいで



気分転換ができた。




「さ、それじゃ、とりあえずお墓参りに行こう」と



リサは、電話を切って



海岸沿いのローカル列車で、おじいちゃんの家の方へと向かう事にした。











めぐにも、れーみぃが電話して

リサの無事を伝えて。



「なんだ。それじゃ行かなくても良かったなあ」なんて、めぐはひとりごと。





でもいいや、楽しんで来よう。




寝台特急ノーススターに、乗った事無かったし。



リサのおじさんの計らいで、列車のお手伝いをすれば


乗せてってくれる。




それも、なんとなく楽しそうだったし。





夜、列車で眠るのって

なんとなく、わくわくするような



そんな気もするし。




家族から離れて、列車で外泊なんて

したことないけど。




それも、刺激的。





リサのおじさんが一緒なら、って




お母さんも安心。






なんたって、国鉄の専務車掌さんは


列車巡査、と言って

汽車では


警察官と同じなの



それは、とっても安心だ。





リサも、めぐも

気づかないけど


ジョナサンさんを苦しめた

心の奥底にある、訳解らない感情も



リサが、なんとなく息詰まりなのも。


ひとは、生き物だから

動物として、行動する。



それは、周りにいる動植物にとって

侵略であるから




どこかで、折り合う。



社会。




もし、荒野で


一匹で生きているなら



いつも、戦いの連続で



そういう、戦いを主眼にして

生きているひとが

ジョナサンさんの親だったら



侵略を正しい、とするだろうし



リサのおじいちゃんみたいに

社会のために生きていたら


自然に、孫娘に


規制を躾るだろう。




どちらも、動物として生きているひとの

行動力の、周りへの影響で


原生動物の頃から、変わっていない

動物の行動であると



行動学者も言う通りであるけれど



人間の場合は、攻撃するも防御するも




ただの癖、である。








「メイドさんとかするんですか?」と


めぐは、操車場の食堂で



暖かいお鍋を頂きながら。



リサのおじさんに尋ねる。




「そういう仕事もあるよ」と


区長さんは、作業服のまま

にこにこ笑いながら。




めぐは、想像するのだけど



メイドさんが、汽車に乗ってたかな?




おかえりなさい、ご主人様、なんて

言ったかな(笑)なんて



めぐの想像もちょっと変わっているけど



それも癖である(笑)。





「んだなー、汽車のメイドは

おどこばっかだんなー、食堂車の

ウェイトレスさ、しでもらうがのぉ」と

リサのおじさんの訛りは、相変わらず(笑)


親しみのある、これも癖だ。



生き物なので


エネルギーを得て、代謝する。


エネルギーを得るために

フィールドで狩猟する。

される側からすれば、侵略者であり、悪である

けれど



生きていく為の必然なら


それも仕方ない。



でも、外国を侵略するのは


必然とは言えないから



ただの悪である。




それを見極めるのは

神様の視点、つまり



客観的、エネルギー代謝の必要性のない

観点からの判断が必要なので





地上の者には難しいかもしれない。






生き物でも、しかし

利己に因らず、生きていくことは


神様や天使さんのように

生きていける。




めぐや、れーみぃたちも

いま、そんなふうに生きている。








操車場のある、tailever駅についた


れーみぃとNaomi。



いつもだと、れーみぃのコンビは

たいていめぐだから



こういうパターンはめずらしい(笑)





「車庫、あっちだね」と

れーみぃ。




にこにこと。

もう、リサの無事が解ったので



楽しい秋の旅行(笑)になった。







うんうん、とNaomiは


笑顔で「あっちに行くのは

踏切.....は、ないか。」と

駅の出口を探していた。




結構、都会歩きは難しい。

車庫のほうへは

駅から歩いていく人はいないので


遠くの、陸橋を渡っていかないと行けないから


国鉄のひとは、たいていUpperfieldから

回送列車に乗っていってしまう。



めぐは、魔法で飛んでいってしまうので(笑)


その苦労はなかったけど



れーみぃとNaomiは、苦労して

遠回りして、車庫の方へ行った。





その間、30分くらい。



結構な時間。








めぐは、魔法で空を飛んで行ったので

(笑)


駅からどうやって行ったのかと


みんなが不思議に思ったくらいの

遠回りの道程を

れーみぃと、

Naomiは

歩いて行って。



ようやう車庫に辿り着いたけど



とても広くて、どこにめぐがいるのかわからなかったから




「めぐー

どこぉ?」と



大きな声で、れーみぃが

言うと




めぐは、すぐそばの




倉庫みたいなところから、顔を出した。




「めぐぅ!来たよー。」と


れーみぃは、ちょっとオーバーに

出会いを喜んだ。







両手をあげて、笑顔。




とっても遠回りの道程が


淋しかったのだろうか。




でも、Naomiも一緒だけど(笑)。






あとからついて来たNaomiは、れーみぃの

かわいらしい仕種に、にこにこしていたけど




遠回りの道程に、やや閉口、と言う感じ。






「ああ、仕事あるんだね。」と


Naomiは、クールにその状況を喜んだ。




メンバーの中では、比較的苦労人の彼女だから


仕事がある事の、有り難さもよくわかっていたりする。





郵便局で、配達のアルバイトなどを

したりした事のある彼女は



時折、そうした仕事を求めても




思ったような仕事がなくて

なかなか困ったりとか


そういう経験もあった。




そう、頭の中で思ったイメージは



現実と違うって


そういう、経験を

ひょっとすると、一番よく知っている子

かもしれなかった。




そんなふうに、経験を積んで行くと

比較的、感情は抑えめ、の

表現になったりするのかもしれない。








「メイドさんするの?わぁ、楽しみだなぁ。



制服、かあいい?」なんて無邪気なれーみぃと



リサのおじさんとで




楽しいやりとりが、その一方で

始まっていた。




れーみぃは、割と社交的なので




田舎ふうの、親切な


リサのおじさんとで

結構、うまがあう、と言うのか



いい調子。


でも、言葉のやりとりは難しい(笑)のは




リサのおじさんが、北の方に似合いの

訛りのある言葉だったからで



れーみぃも、その言葉を

わかったような、そうでないような(笑)。




「んでな、メイドってばさ?」と、おじさんが言うと


れーみぃは「手羽ですかぁ?美味しいですね。


フライドチキンにすると」とか



なーんとなく噛み合わないけど



それも、言葉、とイメージが

一致しないから

そんな事も起こる(笑)。





てば、と言うおじさんの方言を


食べ物で連想してしまった、れーみぃ。



言葉は、音なので


それから、あの、鳥肉のお料理をイメージしたりもするし(笑)




イメージは立体のものだったりする。



そのイメージ同士を、一旦言葉、と言う


音で置き換えて


文字で置き換えて。




コンピューターのしてるのと同じ事を



人間もしている。





と言うより、コンピューターが

人間の真似しているのだけれど。



その、汽車の中の食堂車で

働くアルバイトは


めぐたちにとって、もちろん初めて。



だから、楽しみだけど




「一晩だけじゃなくて、ずっとやってみたいよね」なんて


Naomiは言う。



もちろん、半分冗談だけど(笑)。




でも、旅から旅の暮らしと言うのも、なんとなく憧れたりもするのは


そういうお年頃。




エネルギーが余ってるから、新しい事を

してみたいのだ。





誰もそうで、だんたん年をとって来て



エネルギーが少なくなってくると

そういう気持ちも減ってくるから


区長さんや、リサのおじさんのように




そういう若者たちを、優しく見守るように

なってくるから



世の中は、良く出来ている。






「メイドさんの服って着てみたかったなぁ」と


めぐは、まだ何か勘違いしている(笑)。





「汽車のメイドさんって、ボーイさんの事でしょ」と



れーみぃ。





「おばちゃんたちもメイドさん?」と




めぐが聞くと、



さっきまでのノーススターの

ハウスメイドをしていた

おばちゃんたちは、にこにこ。



でも、みんなふつうの作業服だったり、




「なーんだぁ」と、めぐは

ちょっと残念そう。




「食”堂車”のウエイトレスの服”ならあっけどなぁと




リサのおじさんは、紺色で

裾のところに白いアクセントのついた


ウェイトレスの制服を、ほい、と


持ってきた。





「いやだ、おじさん!」と

めぐは、その制服を、無造作に掴んで来たおじさんの手が



触れているので。



なんとなく、いやだと



思う、その



センスも、めぐ独特のものだったり。(笑)。






でも、若い女の子って

そうかもしれない。




女の子っぽい服装の、その制服に



男らしい、おじさんの手が

触れているのが、なんとなく(笑)。





違和感(笑)。




「まいねまいね。」と


リサのおじさんは

、素手で掴んだ事を


失敗した、と思ったり。







ビニール袋かなにかに入ってるのを

持ってくれば良かった(笑)。と



思ったり。



そういえば、おじさんの娘たちも


そんな感じだったっけ、なんて



おじさんは、記憶の中の娘たちの姿を

ちょっと回想。


旅暮らしだから、時々しか

家でのんびりできない。



それは、仕方ない事だけど


気づけば、めぐくらいの娘がふたり、いたことを


めぐの、かわいらしい反応で思い出した。







こんど、非番の時に。




どっか、連れてくかな。


なんて、愛する者を



守る気持ちに



リサのおじさんは、なっていったりする。






これから乗務して、家のある町へ戻る。





それが待ち遠しくもあったり。

線路から、客車に乗り込むのは

結構大変で


ふだん、プラットホームがあるので

その有難さを感じる瞬間だったりする。


ステップを、地面からよじ登る感じで


客車のドアにたどり着く、と言う感じ。



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