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巨人の殺戮兵器

作者: コウマ
掲載日:2014/05/14

 嘗てこの地は、数匹の巨人が支配し闊歩していた。

 彼らは強靭な肉体と別に、有する知能は他種族を遥か下に仰ぐ程。


 しかしその強大な能力をもってしても、時の流れには逆らえずに彼らは幾つかの物を残して姿を消した。

 その次の世代であり時代を支配するは小さく、そして素早く黒く硬いモノたち。

 巨人たちよりも弱く、その分繁殖能力が高い彼らは見る見るうちに増えていく。


 この地で全員が幸せに暮らすには、少々多すぎるまでに。

 不足は争いを産み、争いは憎しみを産む。憎しみは世に野望を生み落す。


 そして野望は強大な支配者となって、彼らの前に現れた。

 麻薬的に支配者とその配下たちを酔わした、秩序や理想と言った耳触りの良い言葉。

 

 言葉に溺れ自分に酔う彼等は、しかしだからこそ狂ったように強い。

 見る見るうちに、その地は支配者の手に落ちていった。

 支配者に刃向う者、支配者の気に障るものは容赦なく迫害される。


 しかし強く抑えればそれだけ、反発する力は強くなっていった。

 反抗しうるモノたちにも、力あるものが現れ始める。


 支配者と反抗勢力。それぞれがぶつかり合い、やがてパワーバランスは崩れていく。

 支配者が有する軍の戦力はそがれ、徐々に追い詰められていくモノたち。

 その首が反抗勢力に渡る時はもう、直ぐ近くまで来ていたのかもしれない。


 しかし思想や感情はどうあれ、支配者は諦めなかった。

 彼には最後に最凶の奥の手を隠し持っていたのだ。


 それは彼らの技量では、決して生み出すの事が出来ない物。

 だが嘗て、この地には彼等よりも遥かに優れた種族が存在していたのだ。

 巨大な彼らからすれば手のひらサイズのそれも、支配者や反抗勢力のモノたちにとっては山に等しい殺戮兵器。


 羽を広げ、飛翔する支配者。

 反抗勢力が後を追うも、既に支配者はその悪魔を起動させる岩盤に手を置いていた。


「ゴキゴキゴキぃぃぃぃぃ!」


 支配者は、その身に残る全ての力を使って岩盤を押す。


 プシィィィィィィィッ! と山頂から放たれるは白煙。

 その白煙は重力に惹かれるように、この地の全てを覆った。


「ゴキキキキゴキッ!(これで終わりだ! バル……サン!)」


 全ての罪を拭い去る死神の様に、数時間この地に止まった白煙。

 それが晴れた時、同時にその場に会った全ての命も消え失せていた。

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