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悪徳貴族として酒池肉林を目指しているが、世間がうるさいので黙らせることにした  作者: ルピナス
飛翔編

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第76話「排除命令」

長い十日間だった。

レイアは机の上の短剣を見つめ続け、食事も喉を通らない程であった。

彼女は考え続けた。

王国の未来。

王配の疑惑。

そして、アスベルという愛しい人のこと


女王の執務室のドアが開かれる。

見るからに痩せたレイア女王の姿があった。

レイア「コルド、アスタ達を呼びなさい。」

レイアは近くに居た兵に指示すると謁見の間に向かっていた。



謁見の間の扉が開く。

入ってきたのはコルドだった。

コルド「お呼びでしょうか」

レイアは玉座に座り、コルド達を真っ直ぐに見る。

その瞳には、もう迷いはなかった。

レイア「コルド」

コルド「はい」

レイア

「決めました。」

短い沈黙。

レイアは静かに言った。

レイア「王配アスベルを政治の中心から外します」

コルドの表情は変わらない。

レイア「監視下に置き、権限を停止して調査を行います。」

レイア「それが女王としての判断よ」

部屋の空気が重く沈む。

コルドはゆっくりと頭を下げた。

コルド「賢明なご判断です」

レイアは目を伏せる。

レイア「……そうだといいけど」

レイア「もし、あの人が本当に関係ないなら」

レイアの声は震えていた。

レイア「私は……」

言葉が続かない。

コルドは淡々と言う。

コルド「その時は」

コルド「私が共にアスベルに謝罪しましょう。」

レイアは小さく頷いた。

レイア「準備を進めなさい」

コルド「承知致しました」

コルドは一礼し、執務室を出て行った。

扉が閉まる。

一人残されたレイアは、天井を見つめた。

謁見の間は静まりかえっている。

レイア「……ごめんなさい」

小さく呟く。

レイア「アスベル」

その声は静かに響いた。


宰相執務室。

コルド達は部屋に入る。

コルド「さて、どうするか」

振り向いたのはアスタだった。

アスタ「……」

アスタはゆっくりと息を吐いた。

アスタ「本当にやるんだな」

コルド「王国の決断だ」

アスタ「アスベルを捕らえるのか」

ミスティ「アスベル様は本当に強い」

アイミス「私達だけだと返り討ちですよ」

コルド「おまけに裏組織もいる可能性がある」

冷たい答えだった。

アスタは拳を握りなおす。

アスタ「……」

コルド「今ならまだ引ける」

アスタが顔を上げる。

コルド「俺だけでもやる。」

アスタはしばらく黙っていた。

やがて静かに言う。

アスタ「ダメだ。」

コルド「?」

アスタ「僕の戦いでもあるからだ」

コルドは何も言わない。

アスタ「アスベルはずっと僕の代わりに戦ってきた」

アスタ「なら今度は僕の番なんだ」

アスタは真っ直ぐコルドを見る。

アスタ「……やろう」

コルドは小さく頷いた。

コルド「襲撃はこの人数でやる。」

シンシア「兵を集めたほうがいいのでは?」

コルド「ダメだ。動きを察知される可能性がある。」

コルドは立ち上がる。

コルド「アスベルに対して弱みを見せたら負ける。」

アスタ「……」

コルド「あいつが酒池肉林をしているときは甘い香りが部屋から漂う。そこを狙う。」

アスタ(…いよいよか)



王城。

後宮の入口。

夜の廊下は静まり返っていた。

扉の奥では賑やかな音。

そして、扉の隙間からは甘い香りが漂っていた。

物音を立てないようにコルド、アスタ、アイミス、ミスティ、シンシアが近づいていく。


コルドは扉のドアノブを握りしめる。

その先にいるのは

王配アスベル。

コルド「準備はいいか」

アスタは黙って頷く。

ミスティは剣を握りしめ、アイミスとシンシアは杖を持ち直した。

コルド「これが最後だ」

重い沈黙。

やがてコルドが言った。

コルド「行くぞ!」

コルドがゆっくりとドアノブを回す。

後宮の扉が開き始めた。

その瞬間。

王国の運命が、大きく動いた。

読んでくださり、ありがとうございます。

さあ、成功するのでしょうか

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