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悪徳貴族として酒池肉林を目指しているが、世間がうるさいので黙らせることにした  作者: ルピナス
支配編

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57/80

第57話「天秤」

王位継承権の授与から、三か月が経った。

王都は静かに穏やかさを戻していっていた。

次の噂話は、レイア王女の御婚約相手だった。

民衆の中ではアスベル派とコルド派で話は持ちきりだった。

以前のような、大きな混乱はない。

反乱の兆しすら、見当たらない。

民衆はレイア王女に感謝していた。


王城・執務棟。

大きな机の前に、アスベルは立っていた。

レイア王女が執務室に座る。

今や、ガーネット3世はレイア姫に政治の大半を任していた。

決裁をするのはレイアだが、判断を下しているのはアスベルだった。


レイア「……フリーマン王子とサイリー王子、依然として行方不明」

淡々とした報告。

アスベル「捜索はどうなってる?」

レイア「形だけはしているわ。民衆には“療養”と伝えてあるわ」

アスベルは、頷いた。

アスベル「それでいい。無駄な混乱は避ける」

どこにいるかは問題ではない。

アスベル(まあ、そのうち自分から現れるだろう)


別の書類が差し出される。

レイア「次。北部旧ランドバーグ領の徴税状況」

アスベルは目を走らせる。

アスベル「……改善しているな」

レイア「ええ。ランドバーグ家の再編と代官人事が効いている」

名を変え、権限を削がれ、

もはや“牙”を持たない北部。

そこに反発はなく、むしろ圧政から解放された民衆の声が届いていた。

アスベル(本当によかった…)

アスベルは、ほんの一瞬だけ視線を落とした。



同刻。

王城地下。

灯りの落ちた通路を、コルドが歩いていた。

後ろには、顔を伏せた男たち。

元・盗賊。

元・密売人。

元・情報屋。

コルド「確認する」

低い声。

コルド「王都と地方を繋ぐ裏の流れは?」

男「……抑えています。」

コルド「証拠は?」

男「あります」

コルドは、表情を変えない。

コルド「よし、アスベルに報告し、正義の鉄槌を下す。」

コルド「裏に蔓延る組織は我々が壊滅させる」

コルド主導として、裏組織が洗い出され、正義の執行として着々と組織は消えていっていた。

それが、支配だった。


さらに北西

聖王国クリアリース

教皇ライン「久しいな。シンシア」

シンシア「ご無沙汰しております。」

教皇ライン「此度は何の用だ?」

シンシア「アスタ様を聖王国にご留学させて頂きたく思います。」

アスタは、交渉の席についていた。

アスタ「我々は敵ではありません。お互いに栄えていくことをレイア王女は望んでおられます。」

教皇ライン「……王国は、変わったな」

アスタ「はい。今日からお世話になります。」

アスタは、大聖堂パルティアの天井を見つめる。

アスタ(……アスベルは一体何を考えているのか)



再び、王城。

夜。

アスベルは一人、書類の山を見下ろしていた。

そこに、レイアが来る。

レイア「……すべて、うまくいっているわ」

アスベル「ええ」

レイア「経済は発展し、民衆の支持も高い。」

レイア「完璧よ」

アスベルは、答えなかった。

レイア「ねぇ?そろそろいいんじゃない。」

レイアはアスベルに後ろから抱きつく。

レイア「私の伴侶になりなさいよ。」

アスベルは動かない。

レイア「私はいつまで待てばいいの?」

アスベルは淡々とドアの前にいく。

アスベル「まだです。まだ終えていない。」

アスベル(まだ天秤は悪に傾いている)


レイア「どうかした?」

アスベルは、ゆっくりと首を振る。

アスベル「いいえ」

アスベル「ただ――」

言葉を切る。

アスベル「まもなくだと思いまして」

レイアは不思議そうな顔をしていた。


翌朝、ガーネット3世が毒を盛られたと報告があった。

読んで下さり、ありがとうございます。

天秤は傾きました。

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